ジャトロファ(ヤトロファ:jatropha)という作物を、ご存知だろうか。
「イミダス(科学編)」Japan Knowledge版「ヤトロファ・クルカス」の項には、以下の記載があった。
「(イミダス引用開始)南米やアフリカ、インドに自生し、乾燥したやせた土地でも育ち、家畜に食べられず害虫もつかない(中略)油脂量が豊富でせっけんや機械油の原料となり、燃焼しても二酸化炭素の排出量が化石燃料の5分の1にすぎないことから、優れたバイオディーゼル燃料の原料として、特にEU(欧州連合)などから注目されている。1本から6~10kgを採取できるヤトロファ・クルカスの原料種子には40~48%の油分が含まれ、1haに2500本を植えると、年間6~12tの量のバイオディーゼル燃料の生産が可能である。(中略、EUではいわゆる『バイオ燃料指令』に基づき)道路運輸部門のバイオ燃料のシェアを(中略)20年までに20%にまで引き上げることが義務づけられていることから(中略)ヤトロファ・クルカスの栽培のためにアフリカやアジアに耕作地を求める動きが盛んになっており、南米、アジア、アフリカで耕作地を「バイオ油田」とする計画が広まりつつある。(イミダス引用終了)」
参考:
ナンヨウアブラギリ - Wikipedia
熱帯性低木「ジャトロファ」―バイオ燃料のブーム再来はあるか - リムエネルギーニュース
インドのジャトロファからバイオ燃料の取組 - アジアバイオマスオフィス
ざっと検索してみたら、ASKSiddhiには2004年から登場、2000年代後半までにかけて何度か話題にしている。
100%バイオディーゼル車テスト走行 - 2004.4.7
バイオ燃料の安定供給にハイダラバード企業 - 2005.3.26
インド鉄道、環境への様々な配慮をプロモーション - 2009.8.26
州内40万の子供たち、一斉に緑化努力へ - 2009.4.29
その後あまり目にする機会がなくなっていたが、本日「BusinessLine」電子版で目にしたバイオジェット燃料での航空機飛行実験がインドで初めて成功したと伝える記事の中で、久しぶりにジャトロファの文字を見かけた。
Uses blend made from jatropha by CSIR-Indian Institute of Petroleum - BusinessLine
インド民間航空総局(Directorate General of Civil Aviation:DGCA)による公式の声明によると、フライトはスパイスジェット(SpiceJet)航空が運航するボンバルディアQ400型機で、ウッタラーカンド州デヘラードゥーンからデリーまでを飛行した。
同機にはDGCAの職員をはじめとする規制当局の職員が搭乗していた。
スパイスジェット航空の声明によると、同機の運航には航空用タービン燃料75%に、主にジャトロファから抽出したバイオジェット燃料25%を混合して使用した。
ジャトロファ燃料はインド石油研究所(CSIR - Indian Institute of Petroleum)が開発、従来の航空燃料より炭素排出量を15%削減する可能性があるとしている。