ゼネラルモーターズ新CFOにインド人女性が就任

 

Posted on 17 Jun 2018 21:00 in 海外のインド人 by Yoko Deshmukh

「世の中には簡単に手に入るものなど存在しないことを学んだ。自分の欲しいものを手に入れるためには、努力するしかない。」



※端正な顔立ちのディウヤさんを見て、バービー人形を連想しました。
 

インドで働く女性クラスタの間では、先週報じられたこの話題で、とりわけ盛り上がっている。
生まれも育ちもチェンナイの39歳の女性が、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)の最高財務責任者(Chief Financial Officer:CFO)に就任した。
NDTV電子版ほかが報じた。

Indian-American Dhivya Suryadevara, 39, Named GMs Financial Head - NDTV

GMの新CFOに就任したのは、ディウヤ・スーリヤデヴラ(Dhivya Suryadevara)さん。
マドラス大学で学士と修士を修得後、ハーバードビジネススクールに進学して経営学修士号(MBA)を修得している。

自動車産業は世界的に男性社会というイメージが根強くあったが、徐々に変化が訪れつつある。
実際、ディウヤさんをCFOに任命したのは、GMのメアリー・バッラ(Marry Barra)最高経営責任者(CEO)氏だ。

CFO就任以前、ディウヤさんは同社コーポレートファイナンス部門の副社長を務め、同社が締結した主な取引のすべてを担当していた。

「ディウヤは当社の財務活動全般でいくつもの重要な役割を果たしてきた。その経験とリーダーシップは、過去複数年にわたり当社が達成してきた、堅調な業績の基盤を築くものだった」、バッラCEOはディウヤ氏を任命した理由についてこのように説明する。

かつて米国の繁栄を象徴する企業とされたGMの、心臓部とも言えるCFOを担うことになったディウヤさんとは、どのような人物なのか。

ディウヤさんは幼い時に父を亡くしたが、母親が3人の子供たちを育ててきた。
「インドでも例外なく、それは大変な困難を伴うものだった。しかし母は特に教育に関して、両親のいる世帯と何ら変わらない機会を私たちに与えられるということを、世間に証明しようと懸命だった。母の期待は大きく、私たちもそれに懸命に応え、そして世の中には簡単に手に入るものなど存在しないことを学んだ。自分の欲しいものを手に入れるためには、努力するしかない。」Real Simple誌の取材に、ディウヤさんはこのように語っている。

ハーバードビジネススクールを卒業後、プライスウォーターハウスクーパース(Pricewaterhouse Coopers)、投資銀行のUBSを経て、25歳の時にGMに入社した。

2016年にはGM本社のあるデトロイトを拠点とするビジネス誌が選ぶ「Crain’s Detroit Business 40」で、「40歳未満部門」にリスト入りしている。

2017年にGM財務部門の副社長に就任してから、オペル(Opel)の売却や自動運転車スタートアップ企業クルーズ(Cruise)や、配車サービスの新興企業リフト(Lyft)の買収、また最近ではクルーズ社の自動運転事業にソフトバンクグループ系のファンド会社「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」から、22億5,000万ドルの投資契約をまとめ、3つの主要信用格付け機関によるGMの格付けを上げ、裁量的年金拠出用の債券発行に20億ドルを充当し、GMが保有していた145億ドルの回転信用枠を拡大し、また新設するなどの貢献をした。





            



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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