村人にトイレを使ってもらうため、指導者が自ら取った驚きの行動とは
Posted on 24 May 2018 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh
リーダーと呼ばれる人は、本来こうでなければならないという例を見ました。
インド会計監査院(Comptroller and Auditor General of India:CAG)(リンク先はPDF)の上級官が、循環式トイレから分解されコンポスト化した肥料を取り出す作業を自ら実行して、農村部の住民たちが抱える固定観念の破壊を試みた。
「The Times of India」電子版が伝えた。
Sometimes you need to get your hands dirty, happily - The Times of India
インド政府が2018年10月までに「国民皆トイレ」を目指す「スワッチ・バーラト(Swachh Bharat)」計画を推進している中、農村部では依然として戸外での排泄を選ぶ人が根強く存在する。
報道によると、戸外での排泄にこだわる人々にトイレを使ってもらえるよう、苦肉の策として導入されているのは「ツインピット・トイレ(twin-pit toilet)」と呼ばれるものだ。
これは文字通り二槽式のトイレで、排泄物が堆肥槽に移動し、半年から1年かけて農業に適したコンポスト肥料に分解される仕組みのバイオトイレだ。
しかし問題は、できあがった肥料を取り出すことを頑なに拒む村人たちの意識改革にあった。
そこで先週、村人たちの固定観念を崩そうと、元インド行政職(IAS)高官であり、現在はCAGで非常に高い地位にあるラジーヴ・メーリシ(Rajiv Mehrishi)という人物が、二槽式トイレを設置しているマハーラーシュトラ州農村部に自ら赴き、中に収納されていたコンポスト化した堆肥を手で取り出して見せた。
この試みはプネー郊外ダウンド(Daund)地区にあるパンダーレワディ・グラム(Pandharewadi Gram)と呼ばれるパンチャーヤト(村落共同体)で実施された。
メーリシ氏には、飲料水および衛生省のパラメシュワラン・アイヤル(Parameswaran Iyer)長官を筆頭とするスワッチ・バーラト担当高官や、マハーラーシュトラ州政府上級官吏が随行した。
記者からの質問に対してメーリシ氏は、排泄物に触れることを不浄とする固定観念が、分解処理されたコンポストであっても頑なに拒み、放置されてしまう現状に繋がっていると指摘、自ら取り出してみることで安全であることを実証したと話した。
集まった村人に対し、分解されたコンポストは無臭であり、固まっているので素手でも取れると示し、随行した他の役人たちも次々に「(体内の)ゴミから得られる富」を「採掘」して見せた。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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