親の結婚反対を押し切り、駆け落ちした男女のキューピット役となったのは
Posted on 28 Mar 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
誰もが気持ちよくお互いを助け合える世の中になれば、いっそ結婚なんかいらないと思います。
昨日、半年ぶりくらいに友人Aさんと会い、ランチから午後いっぱいを使って、色々な話をして過ごした。
わたしよりも少し年上のAさんもヒンドゥー教徒(ブラーミン層)のインド人だが、「結婚なんてしてもしなくてもよい。結婚していようが、子供がいようが、孤独死の恐怖からは免れない。まして親の決めた知らない人と見合い結婚して添い遂げるなんて時代錯誤も甚だしい」という考え方の持ち主だ。
わたしも心から賛同する。
そんな本日、「The Asian Age」というオンラインメディアが報じていたのは、ウッタル・プラデーシュ州の警察官が、駆け落ちしたカップルの結婚を助けたという、微笑ましい話題だ。
UP: Couple gets married in Barabanki’s police station as cops play cupid - The Asian Age
農村部に行くと、カーストに縛られた縁組はもちろん、ひどいものだと親の決めた相手と結婚しなかった娘に対する虐待や、物分からぬ幼女を強制的に嫁入りさせるなどの悪しき慣習がまだ残っている。
しかし、長年に渡り互いの愛を確かめ合い、一緒になりたいと決意して家族の反対を押し切り駆け落ちした若い男女に、思わぬ救世主が現れた。
それは2人の駆け落ち先となったモハンマドプール・カーラ(Mohammadpur Khala)村警察署の警察官。
同署に勤務する警察官、ディガンバル・クーシュワハ(Digambar Khushwaha)さんは、2人から詳しく事情を聴き、また動かぬ気持ちを確かめると、警察署敷地内に会場を設営し、新郎と新婦の両親も招いて盛大な結婚式を決行してしまった。
というのも、親の圧力による結婚が横行するインド農村部では、しばしば警察が法執行機関の役割を果たし、合法な結婚手続きの場となっているのだ。
2人の末永い幸福を願わずにはいられない。
冒頭のAさんは、非常に高いIT系のテクニカルスキルと日本語能力を駆使し、現在も絶えずこれを磨き続け、ガンガンと自らの道を切り開いている。
結婚しようが、独身のままであろうが、子供がいようがいまいが、例外なくひとりひとりが自立・独立して生活できる力を身に着けることは、生き抜くうえで必要最低限の条件だろう。
インド人と結婚し、子供こそいないものの、濃密な関係性を求められるインド家族に所属するに至ったわたし。
とは言え、ほぼ好き勝手な暮らしをさせてもらっているので、わたしも自分のできる範囲で無条件に家族をサポートしたいという気持ちはある。
しかしひるがえって、わたしが老後を迎えるなどして、その時に夫に先立たれてしまい一人になったとしても、プライドとかエゴとかは無関係に、自分の人生の満足度という点で考えると、家族の世話になりたいという気はこれっぽっちもない。
だからこそ自分の面倒は自分で見られるよう、備えておきたい。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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