先日、プネーの大学TMV(Tilak Maharashtra Vidyapeeth http://www.tmv.edu.in)で開催された歌コンテスト(Singing Competition)では、東日本大震災NHK復興チャリティーソングの「花は咲く」を歌ってくれたグループもいた(上の写真)。
実はちょうど彼らの歌のところで、アンプの調子が悪くなって聞こえてくるはずの伴奏がブツブツ途切れてしまい、調子を整えるのに苦労していて気の毒だった。
しかし清らかな声で歌い上げられた「花は咲く」は、わたしの心にちゃんと届いた。
「花は咲く」はわたしも日本から楽譜を買ってきて、数年前に当時プネーに住んでいた日本人の友達たちと一緒にティーパーティで歌ってみたり、辻井伸行さんアレンジのピアノ楽譜を練習したりしている。
7年前の今日、ちょうど東京の客との電話会議中に、大規模な地震の発生を知ったシッダールタからの一報を受け、当時勤めていた会社の人たちと、英BBC放送が映し出す衝撃的な映像をただ呆然と見つめるしかなかったわたしは、とてつもない無力感に襲われた。
あの時、未曽有の原発事故が発生し、国内の原子力発電所の総停止と、その再稼働に慎重な態度を取るようになったわたしたち日本人は、節電へと大きく舵を切ったはずだった。
7年後の今、日本の大都市はすっかり元の通りの、24時間ネオンきらめく眠らない街に戻っている。
日本の隅々まで明るい街も大好きだが、そろそろ少しの不便を徐々に受け入れながら、消費電力を極力抑えるような訓練を取り入れていってもいいのかもしれない。
またインドに住むわたしたちのように、停電があたり前の日常になれば、各家庭にUPSを備えたり、団地などには大型バックアップバッテリーを備えたりするようになるから、災害にはかえって強くなるかもしれない。
そんな折、グジャラート州に接する連邦直轄領、ディーウでは、年中さんさんと降り注ぐ太陽光のおかげで、電力不足が解消しているどころか、完全に太陽光発電で事足りている、という話題を、「The Times of India」が伝えた。
Diu becomes first UT to run 100% on solar power - The Times of India
報道によるとディーウでは、太陽光により毎日13メガワット(1日およそ1,300世帯分の電力消費量)の発電が実現、大幅な余剰エネルギーを得ることに成功したインド初の連邦直轄領となった。
ディーウが太陽光発電の可能性に注目し始めたのは、わずか3年前。
それまで人口5万6,000人のディーウでは、隣接するグジャラート州から延びる送電網からの電力に頼っていたが、送電中に大幅な無駄が発生していた。
ダマンとディーウを管轄している電力会社によると、ディーウのピーク時電力需要は1日7メガワットであり、完全に太陽光発電で賄えるようになった。
当然、住民の毎月の電気代は平均12%も減少した。
しかも今回のプロジェクトで建設された太陽光発電設備は、アラビア海に面し、総面積42平方キロメートル程度というディーウの持つ限られた土地のごく一角、一部民家の屋根上なども含めたおよそ50エーカー(およそ0.2平方キロメートル)を占めるに過ぎない。
つまり、太陽光発電の巨大な成長には、広大な土地を必要とするという常識すら覆すことになるかもしれない。
ディーウの試みは、今後国内各地でも採用されるモデル策となっていくだろう。
日本にも技術を輸出したらいいのにな。