ついに鑑賞「バーフバリ 伝説誕生/王の凱旋」、今の気持ちを記録

 

Posted on 12 Feb 2018 22:00 in エンターテインメント by Yoko Deshmukh

映画レビューと言うよりも、とても黙っていられなくなった自分の気持ちを吐露させていただいています。



※申し訳ございませんが、明日まで「バーフバリ祭り」が続く見込みです (^-^;
 

今週の土日にかけて、ついに鑑賞したテルグ映画超大作シリーズ「バーフバリ(Baahubali)」。


Official Trailer in Telugu

 

すでに巷には、バーフバリの世界の虜になった「マーヒシュマティ臣民」たちによる、すばらしいレビューであふれかえっているので、今さらわたしのような身分の者が何かを語ってもありがた迷惑ってやつかな、とちょっと躊躇したのだが、誰よりも自分のために、現在の気持ちをまとめずにはいられないので記録する。

この作品は昨年から年始にかけて福岡に滞在中だった12月末に、日本でも公開され、以来、気になって仕方がなかったのだが、時間的な制約上、なかなか観に行けずにそのままプネーへ帰って来たのだった。

まずは、こちらの「Baahubali」公式Twitterアカウントを見てみて欲しい。



 

この公式アカウントのタイムラインにも、日本の熱狂的なファンによるツイートがあふれていることがお分かりになるだろう。
その多くは、わたしのタイムラインでもおなじみの方々だ。
本国インドでも、日本のファンたちの気持ちは、がっちりと受け止められている。

(ちょっと不良だけど)ヒンドゥー教徒と結婚し、インドに15年も住んでいながらにして、ヒンドゥー教の神々や神話など、内容こそ知っていても深く学んだことはあまりなく、よほど日本在住のインド通の方々の方が、この国の知識に精通しているなと反省する日々。

しかしバーフバリ(日本の題はシリーズ1作目が「バーフバリ 伝説誕生」、2作目が「バーフバリ 王の凱旋」)公開前後に、わたしのツイッターのタイムラインを怒涛の如く流れ始めた作品関連のツイートでは、そうしたインドの古代叙事詩への興味関心を湧き起こされる、こと細やかな解説がなされていた。
このように、連日ツイッターを開けば容赦なく聴こえてくる「王への讃歌」に、とうとう抗いきれなくなった。

とはいえインド映画はボリウッド作品も含めて普段から積極的に観るほうではなく、ましてやテルグ語だし、さらにCGを多用した壮大なアクション映画とあって、わたしの周囲(といっても主にシッダールタ)の意見は比較的冷ややかだった「バーフバリ」。
おまけに2作あわせて6時間弱にも及ぶため、かなり時間的な投資が必要となり、「観よう」と決心し、行動を起こすまでにしばらくかかった。

実際には、土曜日に「伝説誕生」を観終えた後は、「へ~、こんなもんか。まぁおもしろかったけど、熱狂するほどではないな~」ぐらいの感想しかなかった。
実際、「伝説誕生」は日本語字幕で観たさに日本のアマゾン・プライムビデオで100円の時を狙ってレンタルしてしまったのだが、カットされている場面もあるらしいという話を聞いてから、YouTubeで完全版を観なおそうと考えている(確かに途中、不自然な音声のブツ切れが数カ所あった)。

日曜日に観た「王の凱旋」は、インドのNetflixでオリジナルのテルグ語版に英語字幕のついたノーカット版を観ることができた。
本当に皆さんが言うように、世界観がガラリと変わってしまった。

噂に違わぬCGも多用した派手な演出に、とにかく戦闘シーンと華やかな宮廷シーン盛りだくさんの内容、しかしまったく疲れを感じることなく、鑑賞後は「キャッツ」などの動きの多いミュージカルを観た後のような、身体が軽くなる爽快感を味わった。

好きな場面は、いろいろあるが、美しく勇敢なデーヴァセーナ姫に恋する弟アマレンドラへの競争心から、彼女を妃にと望み、そして逃した兄バラーラデーヴァが、その後25年を経た戦場でなお、「I want Devasena」と言うところだ。
邪悪な王という設定になっているバラーラデーヴァなのに、女性を想う気持ちは純愛なのだな、とグッと来た。
作品では、2人の鍛え上げられた肉体を誇る超イケメン俳優が敵同士で主演しているわけだが、わたしはどちらかと言うとバラーラデーヴァの方が好きかもしれない。

さて、ではなぜ、日本で「バーフバリ」がこれほどの人気を集めているのだろうか。
いろいろな理由はあると思うが、バーフバリの世界観がヒンドゥー教の神話をもとにしているとして、専門家の意見から詳しく解説している「天竺奇譚 @tenjikukitan」さんの投稿を読んでいると、無宗教で無臭、無害を是とするグレー色の日本が浮かび上がる。
そんな無色の日本から見ると、極彩色のバーフバリはさぞかし、めくるめくスペクタクルだろう。
プラスとマイナスが引き合う、必然的な引力が働いただけなのかもしれない。

今さらながら「バーフバリ王の誕生した(?)インドに住んでいること」を、ちょっと誇らしく思えてくる。
そして作品の鑑賞後、次の渾身レビュー記事を読むと、さらに一層楽しめた(ネタバレがあるものも含まれている)。

異例のヒットとなりつつあるインド映画「バーフバリ」がとにかく強い7つの理由

“バーフバリ 王の凱旋(Baahubali 2: The Conclusion)”を観てきました!

インド映画『バーフバリ』のマサラ上映会が盛り上がりすぎてヤバかった!

606人の王国民が叫び、祈り、歌った一夜。『#バーフバリ絶叫』レポin新宿ピカデリー(2.9)





        



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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