スラムからジャマイカへ、ウサイン・ボルトに師事する少年

 

Posted on 04 Jan 2018 22:00 in インドスポーツ by Yoko Deshmukh

「生きること」、そして「努めること」の本質を問いかけられます。



先日、手話の先生やすみさんから、ウサイン・ボルト(Usain Bolt)の表現は、あの勝利のポーズで全世界伝わるということを学んだ。

そんなウサイン・ボルトがジャマイカはキングストンで運営する有名アスリートクラブ、「レーサーズ・トラック・クラブ(Racers Track Club)」へ、デリーのスラムに住む少年が入門を認められ、留学することになった。

Delhi slum boy to train at Usain Bolt's club - The Times of India

幸運を手にしたのは、デリーのアザドプル(Azadpur)地区を通る鉄道脇のバダ・バーグ(Bada Bagh)スラムで、わずか3メートル四方の掘っ立て小屋に住んでいるニサール・アハメド(Nisar Ahmed)くん。
父親はリクシャーワーラー、母親は家政婦という家庭で生まれ育ち、5,000ルピーほどの収入があるかないかの貧困生活ながら、ニサールくんとその妹の毎日の食事には事欠かないように両親は手配してくれたという。

このクラブは今年、優れたアスリートの卵をインドから選抜し、1カ月間の集中トレーニングを施す。
入門を認められたのは、広いインドからたった14名、その中にニサールくんが堂々と入ったのだ。

その才能は確かなもので、最近開催されたデリー連邦直轄領陸上競技大会では、200メートル22秒28、100メートル11秒という、アンダー16全国記録を2回も破るという驚異的な成績を達成した。

「(絶望的な貧困と言う)神から与えられた試練はあまりにも厳しく、泣いたことも数知れない。しかし今は、自らの貧困こそが、どんな困難でも懸命に努力して克服しようという負けん気を育んだと思っている」





        



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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