困窮家庭からIITに合格、進学時に手を差し伸べてくれた社会に恩返しする兄弟

 

Posted on 23 Nov 2017 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

貧しくとも想像力さえ備わっていれば、目標に向かってぶれることなく、まっすぐ進んでいきやすいのかな。



ウッタル・プラデーシュ州出身で、ともに最難関のインド工科大学(Indian Institute of Technology:IIT)に合格した秀才兄弟がいる。

ところが進学する段階になり、2人分の授業料10万ルピーを捻出できず、窮地に陥った。
そのことを地元の新聞記者に話したことがきっかけで、全国紙タイムズオブインディア(Times of India)紙が報道、その報に接した善意ある人たちがインド全土のみならず世界中から資金を寄付し、兄弟は無事、IIT(兄はボンベイ校、弟はカラグプール校)での勉学に励むことができた。

IITを卒業した2人は現在、そんな自らの境遇を、恵まれない家庭環境から勉学を続けられない多くの子供たちと重ね合わせて、教育基金として100万ルピーを目標とする資金調達を試みている。

UP labourer’s son who lived IIT dream raises Rs 10 lakh for education of slum children - The Times of India

兄弟はブリジェッシュ・サロージ(Brijesh Saroj)さんとラジュ・サロージ(Raju Saroj)さん。
難関のIITに見事合格しながらも、金銭面で挫折しそうになった時、助けてくれた社会に恩返ししたいという。

きっかけはブリジェッシュさんはムンバイーでの在学時に、友人たちに呼び掛けて、スラムに住む貧しいが優秀な子供たちが勉学を継続できるよう、学費や教育の支援を提供することを目的とするNGO団体、サムダルシ財団(Samdarshi Foundation)を立ち上げたことだ。

現在、サロージ兄弟は故郷であるプラタップガール(Pratapgarh)に戻り、子供たちが家庭環境により勉学を諦めずに済むよう、支援に取り組んでいる。

何のために学ぶのか。
それは人として、自分の足でしっかりと歩む力だけではなく、他者や周囲の生きとし生けるもの、そして大きくは地球という存在の中で、担っている目的を果たすためだ。





    



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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