ヴァラナシのマニカルニカー・ガートで、木材の代わりに牛糞燃料を利用へ

 

Posted on 20 Sep 2017 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh

妹尾河童さんがあの素晴らしい本を書くためにインドを訪れていた時代から、あまり変わっていないところがあるとしたら、これもそのひとつです。



ヒンドゥー教徒たちの聖地として名高いヴァラナシにある最大の火葬場、マニカルニカー・ガート(Manikarnika Ghat)では、環境に配慮してこれまでに使っていた木材でなく、牛糞燃料を使用することを発表した。
「Times of India」電子版ほかが伝えた。

Cow dung cakes for eco-friendly cremation - Times of India

記事によれば、木材業者からの反対はあるものの、(ヒンドゥー聖典)ヴェーダの学者や研究者グループと、ヴァラナシの行政機関でも、この動きを支持しているという。

マニカニカー・ガートでは、1体の火葬に必要な木材(硬材)は300~400キロとしており、1日に少ない時でもおよそ100体の火葬が行われていることから換算すると、毎日3トンから4トンの木材が消費されている計算になる。

そこでヒマラヤの森林を保護するための試みを実施するウッタル・プラデーシュ州最初の都市として、木材に代わり、牛糞をおがくずなどと混ぜて固めた燃料を使用し、他の街への模範を示すことになった。

記事では、「遺体の火葬に牛糞燃料を使用することは、古代から繰り返し行われてきた」との、ヴェーダ研究者らのコメントや、「牛糞燃料を用いることで環境汚染が削減できる」との環境科学者の意見が紹介されている。

現在、マハーラーシュトラ州ナーグプルやジャルガオン、ラジャスターン州ジャイプール、西ベンガル州コルカタなど他州の都市では、既に牛糞燃料を使用した火葬が行われている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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