デリーで、下水清掃は清掃員を廃止してすべて機械化へ
Posted on 27 Aug 2017 23:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh
マンパワーの国といえども、それしか選択肢がない誰かにやらせておけばいいという社会であり続けてはならないということを、考え続けていきたいです。
※タージマハールから見たヤムナー川
この記事の参照元となった「India Times」にある画像をインターネット上で見かけた時に、強い衝撃と痛みが胸に走った。
そして、あまりにも多すぎる、このような事実に直面する度に、自分ができることがあまりにも少ないからと、見て見ぬふりをすることも多かった。
確かに、わたしにできることはとても少ないが、どんなに忙しくとも関心を持ち続けることはできる。
わたしたちは、同じ地球上に住む、同じ種族である人類に対して、無意識に線を引いて生きている。
関心を持ち続ける気持ちだけは、捨てたくない。
デリーで5週間に10人もの方が、下水道清掃中に亡くなった事故を受けて、デリー行政では下水道清掃は人力を用いることを禁止し、完全機械化することを義務付ける命令を下した。
「India Times」が報じていた。
After 10 Deaths In Last Five Weeks In Delhi, Now Machines Will Be Used For Sewer Cleaning - India Times
この命令は、下水道清掃に従事する作業員が、下水中に含まれている有害物質によって健康に深刻な影響を被り、次々と命を落としているという事情を鑑みて行われた。
アーヴィンド・ケジリワル(Arvind Kajriwal)連邦直轄領首相、ラジェンドラ・ゴータム(Rajendra Pal Gautam)水道担当大臣などが出席の上で決定されたもので、今後7日以内に清掃員の安全と衛生に関する新たな方針を厳格に定めた文書が作成され、不履行があった下水道清掃業者には、刑法304条に基づく過失致死を含めた厳罰が処せられるとしている。
こうした法律が首都デリーという限定的なエリアで定められたから万事収まるということでは決してないが、人命があまりにも軽んじられているのではないかと感じさせられるような事件や事故が多発している昨今にあって、ひとつの希望の光である。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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