インド発、サニタリーナプキン革命

 

Posted on 11 Jun 2017 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

あの使用感はいまでも忘れられず、時々しみじみと思い出しています。



わが家の近所にある輸入食材を豊富に取り扱う老舗スーパー、「ドラブジーズ(Dorabjee's)」には、ごくたまにユニ・チャームのサニタリー・ナプキンが並んでいるものの、通常は外資系のウィスパー(Whisper)やコテックス(Kotex)、ステイフリー(Stayfree)が目立つ。
価格には14%もの商品・サービス税が課せられるため、20枚入りで100ルピー以上かかるため、多くの人にとっては非常に贅沢な品物だ。

そういえばふと、インドに移住した2003年当時、アコラ(Akola)で入手できた安価なサニタリーナプキンの中に、やや長い本体の両端にタコ糸が通してあって、それを腰に巻くタイプのものがあったことを思い出した。
使ってみたがズレるばかりでなかなかに難儀した。
おそらく、ショーツを使わない人たちのための間に合わせ商品なのだろう。

インドでは、月経を迎えた時に衛生状態を保ち、清潔なナプキンを身に着けるなどの基本的な知識を持っていない女性が、まだ7割あまり存在し、使い回しのボロ布や木の葉などの不衛生な代替物を使用するため、感染症による子宮頸がんなどの、思わぬ重病を引き起こしている。

In Rural India, MIT Grads Aim to Improve Access to Sanitary Pads for Women - NBC

このため、この記事をはじめとして様々な団体が、安価で衛生的なサニタリーナプキンを発明し、農村部の学校を中心に供給を試みている。

Saat Ka Dus: Sanitary Pad Banks Bring Affordable & Hygienic Menstrual Care to Women - The Better India

こちらの記事で紹介されているNGOの試みでは、寄付者やボランティアの協力を得ることで、必要とする人たちにサニタリーナプキンを10枚入りで7ルピーという安さで供給する循環型モデルで、主に学校での普及を目指している。

布ナプキンブームだが、インドのように水不足が頻発する環境では、NBCの記事にあるような、生分解性の素材を用いた環境配慮型の使い捨てナプキンのほうが用途に適う。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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