23歳のスーパー起業家、驚きの素材でトイレや住宅を建設

 

Posted on 19 May 2017 23:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

日本だとこの年齢でこれだけの功績を挙げていればちやほやされてあっという間に時の人になるのではないかと思います。



*Red Brick Warehouses in Yokohama, taken in 2009.
 

若干23歳の起業家が、あっと驚きの材料を使って農村部にトイレを設置するため取り組んでいる。

This 23-Year-Old Makes Bricks out of Industrial Waste & Uses Them to Build Toilets in Rural Areas

ビニッシュ・デーサイ(Binish Desai)さんは11歳の時、履いていたズボンにチューインガムがくっついていることに気づいた。
ちょうど教室にいたので、後で捨てようとガムを紙に包み、ポケットにしまったまま夜まですっかり忘れてしまった。
その時、ガムを紙に包んで長時間放置すると厚く頑丈なブロック状に固まることを観察したデーサイさんは、この発見をもとに様々な実験を重ね、チューインガムを有機結合剤に換え、プロセスの改良に取り組んだという。

こうして考案したブロック材を「Pブロック(P-block)」と名付け、自身の経営する会社「Bドリーム(BDream)」を通じて開発と普及に取り組んでいる。
「Pブロックは、費用対効果が高く、害虫抵抗性と難燃性を備え、耐震性にも優れているのみならず、環境への影響が少なく、圧縮強度も高い。木材、セメント、コンクリートの代替品として使用できる」と説明している。
目下、Bドリーム社製のトイレを農村部に建設するプロジェクトに邁進している。

デーサイさんはソーシャルワーカーとして社会貢献に務める家庭で生まれ育ち、他者のために尽くすことが当たり前の感覚だったという。
1台のトイレ設置コストは面積に応じて9,000から3万ルピーかかるが、一部はBドリーム社がCSRの一環として助成している。
グジャラート州、マハーラーシュトラ州、テーランガーナー州などの農村部1,000カ所以上にトイレを建設、デーサイさんによると製紙業界から発生した廃棄物400トン以上がリサイクルされた。

「紙くずとガムベースでできているレンガの耐久性に疑問を唱える人も多くいるが、従来のレンガとの比較検証により、その優れた特性を証明できる」デーサイさん。

現在は紙屑のほか、石膏廃棄物、金属廃棄物、繊維廃棄物、また製紙過程で発生する汚泥などのの二次的紙廃棄物を原料にした実験も繰り返している。
さらに廃棄物リサイクルに関心を持つ人々のための研修コースも開設、リサイクル産業に従事する草の根の人材育成にも貢献している。
この学校を終了した学生のひとりは、廃棄される人毛を原料とした布地の開発に取り組むなど、リサイクルの可能性が無限大に広がろうとしている。

さて、最初に戻るが彼はまだ23歳。
このようなスーパー人材がさりげなく存在するのもまた、インドの面白いところである。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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