「持続可能な資本主義」、誰もがその一端を簡単に担える時代に:鎌倉投信

 

Posted on 29 Apr 2017 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

数日前、「フリーランス翻訳者として1日に○万円稼げるようになるためのヒント」といった投稿を某SNS上で目にしましたが、わたしにとって仕事も、金銭的ゲインの追求のためだけではないことを、報告会に参加して改めて確信しました。



日本はゴールデンウイーク初日を迎えた本日。
現在まだ福岡に滞在中なのだが、そこへたまたま、投資信託会社の鎌倉投信が、福岡で運用報告会を開催することを知り、せっかくの機会なので出席してきた。
会場に集まっていた聴講者(鎌倉投信に資産運用を託している人たち)は15~20名と、意外と少なかった。

2時間の運用報告会では、同社の運用責任者である新井和宏さんが、投資の素人にも分かりやすいよう、ひとつひとつの項目を、豊富な事例を交えながら丁寧に解説してくださった。
実は新井さんのご著書、「投資は「きれいごと」で成功する」を読んだことが、鎌倉投信に信託するきっかけだったので、ご本人から直接お話を伺えたことは、大変感激なことだった。

また新井さんは最近、2冊目のご著書「持続可能な資本主義」を出版されたばかりで、この日も希望する聴講者たちに、ご自身のサインと、かわいらしいオリジナル印鑑を押した世界で1冊のコピーを、消費税抜きで販売してくださった。
ちなみにこの本の売り上げの1%は、新井さんご自身の意思でパタゴニアの「環境助成金プログラムと支援」を通じて寄付されることになっている。
なお、既に重版が決定し、早くもベストセラーとなりつつあるこの著書の印税収入については、鎌倉投信に再投資されるそうだ。

サイン付きの貴重な1冊を入手している時、緊張のあまりほとんど言葉をかけることができなかったことが悔やまれる。
 


鎌倉投信の「結い2101」とは、100年後まで続く「いい会社を作る」ことで、「いい社会を作る」という循環の理念に基づき運用されている。
毎月読める「結いだより」によっても、ある程度の運用報告や最新ニュースは把握できるのだが、直接お話を伺うのはまた格別の刺激があった。

なおトランプ政権の司る「旧来型資本主義への回帰(新井さん談)」は、鎌倉投信の理念と相反すること、すなわち持続可能性のないものであるため、運用成績への影響は少ないが、昨今ミサイル問題で騒がしくなってきている北朝鮮動向は予測不可で地政学的リスクが大きく、状況によってはリスクとなり得る、などという話は興味深かった。

本日の説明会では、新井さんや鎌倉投信が「社会に還元している企業」としての投資先を厳正に選び、経営者や従業員の考え方や本音をじっくりと時間をかけて把握していることがよく分かった。
同時に、事例となった会社の経営者像や理念、そして新井さんご自身がおっしゃった言葉である、「言ったことは守ることがプロ」、「過去の失敗から学べる企業は強い」、「これからは自分の専門分野の業務だけでなく、客の要望を一箇所で引き受けられる人が強い」といった言葉に触れ、自らの仕事が果たしてどれぐらい社会に還元できているのか、熟考するきっかけとなった。

そうした意味でも、鎌倉投信への投資信託は、資産形成が単なる金銭的なゲインに留まらない。
わたしのようにインドに住み、日々厳しい現実を目撃することで、自らの存在意義を疑問視し、自問自答せざるを得ない境遇にある者にとっては、社会に貢献する生き方を真剣に考えるリマインダーであり続けているという点で、非常に大きな還元をすでに数多く得ていると言える。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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