やっぱり、こんなわたしでもインドに住めるんだな

 

Posted on 19 Feb 2017 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

まとまらないわ、歯も折れるわ、我ながら何を綴り始めたのやら分からなくなってきたところで、天啓のように結論が出てきました。



(すっごくまとまりないまま終わってしまった)前日の記事からの続きを、本日は綴ろうと思う。

こんなわたしでもインドに住める!なんて事例にはならないかもしれないけれど

その後、いろいろとあって2003年9月末からプネーに住んでいる。

家族はインド人だし、住んでいるところもインド人ミドルクラスしかいない団地、勤めていた会社も(後に日本企業に買収されたが)インド系ソフトウェア会社と、インド人ばかりにかこまれて暮らしてきた。
移住とほぼ同時に、インドを知りたいという欲求から「ASKSiddhi」もほそぼそと更新を続けてきた。

しかし自分の中で、インドという国に対する思い入れというか、興味関心がなかなか育たないことに悩んだ。
さらに面倒な手続きなど、インド暮らしで避けては通れないさまざまな難関は、シッダールタが全面的に協力してくれるので、すっかり甘えてしまい、しかもフリーランスになってからは、人と接する機会そのものが減っている。

あと告白すると、わたしは暑いところがとても苦手だ。
それなのによくインドで十数年も暮らしているものだと思うかもしれないが、実はプネーが酷暑期を迎える4月〜5月は、毎年なんだかんだ理由をつけて、日本に一時帰国しているのである。

こんなわたしが、インドにいる意味ってあるのかな。
最近、そんな自分にいったん見切りをつけ、インドがあまり好きになれないことを認めてみることにしてみた。

すると不思議なことだが、日本に帰国するたびに、インドが大好きだとおっしゃる方や、インドに関する知識がとても豊富で、お話しするだけで、とても勉強になる方と出会う機会が激増した。
単純な話だが、そうした方々の影響を受けて、自分なりのインド観が少しずつ変化してきた。

そもそもインドが好きになれないからと言って、日本で暮らしたいともあまり思えない。
インドと日本がだめなら、どこに行きたいかな?と自問した時に、いますぐに移住したい国も、現在のところ別にない。
それなら今あるものを遠慮なく、存分に楽しんだらいいのではないか。
そんなメッセージを受け取っているような気持ちになってきた。
祖国を出ても、やはり救ってくれるのは祖国だったのかな。

小さいころから、父の仕事の関係で転勤が多く、いろいろな土地で暮らしたことがあるわたしにとって、一箇所に十数年もとどまっているのは、大人になってから初めてのことだ。
結局、このままだと日本を飛び出してまで、相変わらず狭い世界で生きているようなものだ。
おそらくそうした考えに苛まれて、息苦しくなっていたのかもしれない。

2日間にわたって、まとまりのない文章を綴ってきた理由は、もしも今いる場所で、何不自由もなくとも、「本当にここが居場所なのか?」と疑問に思っている人がいたら、いったん「ここは好きじゃない。どこか他の場所へ行ってみよう」と自分に真剣に語りかけてみて欲しいからだ。
わたしは、2度の問いかけのうち、1度目はインドに来ることになり、2度目のいま、自分が本当に必要としているものは、インド以外の国に住むことではなくて、「もっと広い世界を求めること」なのだということが、ようやく理解できたところだ。

今のわたしには、こう言ってあげたい。
「あんたみたいなのが幸せに暮らせるんだから、インドはやっぱりすばらしい国だね」






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments