やってみよう瞑想:いきなりヴィパッサナーは勇気が出ないけど

 

Posted on 21 Dec 2016 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

ひっそりと、誰に遠慮することもなく、どんな面倒臭がりでも意志さえあれば実践できる瞑想。インドという国は何かにつけ、わたしに蜘蛛の糸を垂らしてくれているような気がします。



現在、日本に一時帰国中だ。
今回は変則的な仕事などが重なっており、深夜というか朝方までかかって仕事をすることが多い。

目覚ましがてらNHKをつけっぱなしにしていたら、瞑想の効用について科学的に証明する番組が再放送されていた。
瞑想には今までまったく関心がなかったのに、番組内の企画で3分間、瞑想を体験してみたら、驚くほど頭がすっきりとし、精神も心なしか落ち着いた。

番組によれば瞑想を極めると、短時間で脳が深いリラックス状態、すなわち(通常は就寝時、しかも夢を見ているような状態の時のみ出るとされる)「シータ波」を出し、記憶を司る海馬の働きや、集中力を高めることに大きな効果があるのだという。
記憶力の低下した高齢のお年寄りが、瞑想を実践したことにより生き生きとし始め、記憶力も取り戻すなど、確かな効果を実感する様子などが紹介されていた。

今年、振り返ればなぜか、「ヴィパッサナー・ヨガ」体験談についてお伺いする機会がよくあった。
元勤務先の元社長(インド人)がかつて毎年、マハーラーシュトラ州イガットプリ(Igatpuri)にある著名な施設にこもり、11日間に渡って一切外部との連絡を断った上で、施設内でも誰とも一切口をきかず、日の出から日没まで、ただひたすら瞑想に没頭する、というキャンプに参加されていた。

この元社長は大変な人格者であり、穏やかな方なのであるが、ヴィパッサナー瞑想の効用について、ことあるごとに「あらゆる問題からいったん自分自身を切り離すことができるようになるので、客観的に、俯瞰的に、一歩退いた場所からそれを観察する気持ちの余裕が生まれ、解決の糸口を見出すできるようになる」ということをおっしゃっていた。
日々重要な決断を迫られる経営者のような重責を担う立場の人はもちろん、興味がある人は誰にでもすすめたいということだ。
そんな話を耳には入れていたものの、これまであまり意識せず、関心を抱くこともなかった。

しかし最近、ちょっとしたことで落ち込んだり、これまで以上に人と会いたくなくなったり、理由もなく人生に絶望し、自殺願望まではなくとも「いつ死んでもいいや」と思うぐらいに疲れ果ててしまったりして、何をしていても心から楽しんだり、味わったりする余裕がなくなっていた。
そんな折に、ヴィパッサナーを実践されたことのある人や、興味のある人と接する機会が前よりも増え、まったく記憶から抜け落ちていた「瞑想」というものに急に気持ちが向き始めている。

かといって、いきなり11日間ものヴィパッサナー・キャンプに入る勇気はない。
そこで毎日。まずは3分、そのうち5分、10分と少しずつ伸ばして、できれば20分間の瞑想を実践してみたい。
実は以前にも興味を抱いていたらしく、Kindleからこんな本もダウンロードしていた(が、まともに読んでいなかった)。

ブッダの〈気づき〉の瞑想 - Kindle版

さらに今月、無意識にも、瞑想が仕事に及ぼす影響について書かれた、こんな本もダウンロードしていたようだ。

Mindful Work: How Meditation is Changing Business from the Inside Out - Kindle Edition

瞑想を実践して損することは何もないだろうから、心の求めるままにやってみよう。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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