バック・イン・翻弄のインド生活と、リスボン雑感その2

 

Posted on 13 Nov 2016 23:30 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

少し居眠りしてたまたま目が覚め、ふと窓外を見たら、雪を戴いたアララト山が見え感動しました。



※ちょうど夕刻に差し掛かり、神々しいほどに輝くアララト山を空から拝むことができた。
 

ムンバイの摂氏は真夜中12時の時点で28度。
しかし気温ほどの暑苦しさはなく、西インドにも留守の1週間分、冬季が近づいたことを肌で感じ取った。

さっそく、留守中の大ニュース、モディ首相の強硬政策である紙幣切り替えの影響を実感した。
空港のATMにお金なし。
とはいえ、ふだんほとんどの決済を銀行のデビッド・カードで行なっているので、現金自体ほとんど持っていなかったのは助かった(持っていたのは500ルピー札1枚のみで、あとはすべて100ルピー札以下、わたしの財布など所持金30ルピー)。

モディ首相、あんたの狙ってる「大物贈収賄常習者」、とっくの昔にあの手この手で現金はスイスとか海外の銀行に移動してるよ。
あんたが最も苦しめている人たち、すなわち今まさにATMに長蛇の列を作って、現金を手にしなければ明日の生活も分からないとあせっているような人たちは、まさに選挙の時、あんたに投票した人たちでもあるんだよ。
今がた、モディ首相がゴアで、演技っぽい涙で声を詰まらせながら、「国民のみなさま、大変なこの事態だが、どうか理解して欲しい」などと演説している様子がズィー・マラーティー(ニュースチャンネル)で流れていたが、泣いてる暇があったらさっさと事態を収拾してくれよ。

現在インドを旅行中のお友達や、明日からインドに出張と言っている高校の同級生へ。
わたしだったら、たとえばポルトガルを旅行中に、その国の首相がいきなりこんな政策を導入しちゃったら(ポルトガルはユーロだからそんなことはないだろうけど)、その国のことをよほど好きでない限り、嫌なイメージを持って帰るだろうなぁ。
でも観光客や一時的な出張旅行者に対しては、措置はだいぶ緩いはずなので、この先も無事に旅行できることを心から祈っている。

また、今まで使っていた紙幣が紙切れになる、などということは、どう考えても決してない(はず)なので、出張者などでまとまったルピーの旧紙幣現金が余っているという人は、今回は新たに現金を下ろすか、なるべくクレジットカードで支払っておき、日本に帰国後にしかるべき金融機関(東京の人だったら有楽町のインドステイト銀行)や大使館・領事館に相談するというのも手かも。
ただ、大使館や領事館の人たちの不親切さと無知さを知っているから、金融機関のほうが確実かな。

さて、気持ちを切り替えて、ポルトガル旅行雑感をもう少し、まとめておきたい。

まず街の気軽なパステラリア(軽食屋)には、「デルタ(Delta)」と「トファ(Tofa)」という、掲げている看板が2通りあった(※あともうひとつブランドがあった気がする)。
これは店で使っているコーヒー豆ブランドの違いと思われるが、この看板を掲げている店は庶民的な料金で、しかもコーヒーもスナックもおおむねハズレがなかった。
今この瞬間のインドではないが、ユーロをなかなか下ろしに行けず財布の中の所持金が5ユーロもなかった日に、1ユーロでコーヒーとソフトクッキーを食べることができ助かったことがある。

ポルトガル人は、比較的小柄で目と髪の色は黒く、彫刻のように整った顔だちに、すらりと整った体型の人が多い。
街には移民もたくさんいて、黒人系の人が目立つ。
また個人商店のようなところは、ほとんどが南アジア系(バングラデシュとかネパール)の移民が経営している。

中でも、顔見知りになった宿近くの商店を経営するバングラデシュ移民(実はウェブ開発者の勉強もしており実務経験もあるとのこと)の男性に訊いたところ、インド人は移民というより、ゴアやダマン、ディーウなどがポルトガル領だった時代に本国に連れてこられたか、渡って来た人たちの子孫で、医師や歯科医など、専門職に就いている人が多いとか。
インド料理店はやたら多く、しかもどこも地元風の人たちで混んでいた。

なんだかんだ言って、ポルトガルはヨーロッパ初心者に、とっつきやすい国だったと思う。
言葉はポルトガル語だが、観光地では、ほとんどの人がきれいな英語を話せる。
人々は純朴な感じで、冷たくもないが、馴れ馴れしくもない。
しかも困っている旅行者を見かけたら、さりげなく助けてくれたり、手を差し伸べてくれるような人情もある。

リスボンはまた、住むだけで足腰を鍛えられる土地だ。
急坂が非常に多く、特に宿がやや高台にあったので、出かけるだけでもひとつのエクササイズをしているようだった。
ケーブルカーやエレベーター(サンタ・ジュスタ)が数カ所にあって、高台に楽して行けるようなところもあるが、運賃が坂の上に行くためだけに3.9ユーロと少し割高のためか、乗っているのは観光客ばかりだった。
長崎も坂が多い地形にうまく人家が建っているが、リスボンの街作りから何らかの影響を受けたのかな。

また昨日、路上生活者が多いと書いたが、そうした人たちに温かい食べ物を配って回っているバンがあって、若者たちが生き生きと働いていたのが印象的だ。

これは観光客も当てはまるかもしれないから、一概には言えないものの、香りの感度の高い人が多いのか、「あ、いい香りだな」という香水をつけている人たち(何パターンも)とよくすれ違った。
WHTTツアーの車内芳香剤もよい香りだったし、宿の室内にも素敵なスティック状ルームフレグランスが置いてあった。

時差ボケを徐々に直して、この後は泊まっていた宿について、ポルトガルで食べたおいしいものについて、そしてリスボンからの日帰りポルト旅行と、シントラへの現地ツアー「We Hate Tourism Tours」の詳細について、記事にまとめたい。

※写真が少ないが、これはネット環境に限りがあるため。
一部は現地からちょこちょこと、インスタグラムに上げているので、ぜひご覧になってください。

インスタグラム:@yoko_surya






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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