ゴミゴミした小さな町アコラから、世界進出する人材育成を目指す学校「Aspire」
Posted on 31 Oct 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
この学校が、「灰色の田舎町アコラ」に咲く1輪の色鮮やかな花に見えてなりません。
*"Akola Tower," once served as a broadcasting tower.
The photo from a copyright-free space.
今年のディワリ休暇は、6月に来日した上の姪ラーダちゃんは、マレーシアへの3泊4日の研修旅行で消化してアコラに不在だったため、いつもよりも寂しいものだったが、ラクシュミー・プージャを終え、明日プネに向かって帰りの移動をするために1日早く、本来であればディワリ最終日に執り行う、舅、夫、そして兄(役を務めてくれている夫の妹の夫ラーム(Ram)さん)からお小遣いをもらえるバウビージ(Bhaubeej)の儀式もこなした本日、ラーダちゃんの初マレーシア旅行の体験談を、家族一同は楽しみに待っている。
さて、そのラーダちゃんを研修旅行に送り出してくれたのは、「Aspire The Institute of Human Development」という、マハーラーシュトラ州アコラを拠点に運営されているオープンカレッジだ。
もちろん海外研修は有料で、1名7万5000ルピーという決して気軽には出せない料金がかかるが、30名以上の老若男女アコラっ子の生徒さんたちが参加していたことは印象深かった。
テキスト風に綴じられた旅程表も見せてもらったが、渡航前にしっかりと事前研修を実施しており、また現地での行動について分かり易くまとめてあり感心した。
この「Aspire」は2009年に設立され、英語教育を軸に、「世界の舞台に堂々と出ていける、自己の行動に責任を持てる個人の育成」を目指している。
ホームページを見てみると、ラーダちゃんから「彼に憧れている女子生徒も多いが、残念ながら既婚者で、その妻も同校で教鞭を執っている」と聞かされていた通り、なるほどハンサムでスマートな、弱冠30代の若き理事が率いている点も興味深い。
最も大切なことは、アコラのように他に何もすることがなく、空港すらない田舎町に、あえてこのような世界へ羽ばたけるような人材育成に取り組む学校を作った点にある。
他に誘惑がないから、こうした勉学の場こそが質の高い社交の場としても機能していることを感じ取ったし、何より高い授業料を支払ってわざわざ学びに来ているのだから、みんな一生懸命だ。
こう言っては何だが「灰色の街」アコラの片隅で、厳しい競争にさらされながら、世界へ羽ばたいていくことを夢見て切磋琢磨することは、生徒が若ければ若いほど意義は大きい。
しかも年に一度、このようにお金さえ貯めていれば、実際に海外へ出かけて世界の一端を体感できるチャンスも巡ってくる。
このようなオープンカレッジで、ラーダちゃんが今年の「Student of the Year」に選ばれたことは、改めて誇らしいことだ。
Aspire The Institute of Human Development
Sahakar Nagar, Gaurakshan Road, Akola
-444001 Maharashtra (India)
www.aspireihd.com
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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