成田からムンバイ行きのANA便は昼12時半出発なので、同日に福岡から成田へ移動するには午前7時発のANA国内線を利用すればよいのだが、諸事情により成田までは前日夜までにJetstar便で移動しておき、成田空港に宿泊することにした。
Jetstarは初めて利用したが、多くの人を乗せて効率よく運賃収入を得るため、シートがほぼ直角になっており休みづらく、成田までの2時間が非常に長く感じた。
これで国際便の長時間フライトは、わたしにはとても耐えられそうもない。
福岡を午後8時20分に出発し、成田に到着したのは午後10時半過ぎ。
機内はほぼ満席で、この人たちの多くはおそらく、翌日早朝発の国際便搭乗に備えて、わたしたちのように空港泊するか、空港近くのホテルに宿泊するのかな。
LCC利用時には第3ターミナルに到着する。
それにしても第3ターミナルのあまりにシンプルな造りには驚く。
宿泊先としては第2ターミナルを考えており、第3ターミナルからは連絡シャトルバスか、徒歩での経路が示してあるので、簡単に至れるようになっていた。
空港泊を敢行するにあたり、当然ネットで事前にいろいろと調べていたが、夜間の一定の時間に空港内の一箇所に利用者が集められ、警察と警備員によるパスポートや搭乗券のチェックがあると書かれていたものが多く、もしも到着時間が遅くなりチェックのタイミングを逃し、入れてもらえないなどということになったらどうしよう、という一抹の不安もあった。
ところが2016年7月6日現在、わたしたちが宿泊先として選んだ第2ターミナルでは、身分証チェックなどはなかった。
なお、成田空港では公式ホームページでも、早朝発の便に搭乗する人々のために、空港内施設での寝泊まりが可能であることを明記している。
第3ターミナルの早朝をご利用のお客様へ(成田国際空港公式WEBサイト)
また第2ターミナル駐車場では、カプセルホテル、「ナインアワーズ」が営業している。
成田空港到着時、つまり利用想定時刻の直前に検索したところ、シーズンにもよるのかもしれないが、当日予約でも3名1万2000円未満とリーズナブルだ。
京成線への乗り場に通じるB1Fに24時間営業のセブンイレブンがあることは事前にネットリサーチで知っており、加えて2Fには24時間営業の吉野家まであるのは心強い。
わたしたちが寝床として選んだのは2Fのスペースで、国際線の離発着がほぼ終わった午後11時過ぎには、多くの人がすでにくつろいでいた。
空港泊する人々のほとんどは外国人で、不思議と日本人らしき人の姿をあまり見かけない。
このスペースには、ノートパソコンやモバイル機器を充電できるコンセントのついたワークデスクまで備わっている。
さまざまな国籍の「同宿者」たちは、成田空港の無料WiFiに繋いだネット動画などを閲覧したり、旅の仲間同士でおしゃべりしたりして楽しんでいた。
また、夜間には屈強な体格をしたセキュリティ要員とおぼしき人たちが絶えず巡回しており、かえって安心して休むことができた。
午前1時過ぎにはスペースの明かりが落とされ、空調が立てる低くうなるような音に混じって、いびきや寝息が聞こえてくる。
早朝発の便のチェックイン時刻が近づく午前3時半過ぎには再び明かりが点き、出発ロビー行きのエスカレーターが動き始める。