アッサム州東端から亜大陸最南端カニャークマリまで鉄道で旅した人の話

 

Posted on 03 Jun 2016 23:00 in トラベル・インド by Yoko Deshmukh

インド鉄道全長4,000キロの旅、いつか敢行したいです。



「チャイ、チャイ〜〜、チャイ〜〜〜、ガラム(熱いチャーイはいかが)」

インドの列車で旅をしたことのある人であれば、まるで何かのメロディのようなチャーイ売りの呼び声が、耳にこびりついているに違いない。

昨日付の「Your Story」で、全行程86時間という、インド鉄道最長の旅を経験したインド系カナダ人の手記について紹介しており、ぜひ手に取って読んでみたい気持ちに駆られている。

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北はミャンマーにほど近いアッサム州ディブルガル(Dibrugarh)から、南はインド洋、アラビア海、ベンガル湾の出会う場所タミル・ナードゥ州カニャークマリ(Kanniyakumari)まで、走行距離にして4,237キロ、56駅を通過し貫くルートを延々と列車で旅するのは相当の醍醐味だったろう。
最初に日の出を迎えた地と、到着を控え最後に日の出を迎えた地とでは、その時差が42分もあったという。



 

日本のように次の駅を告げるアナウンスなどはないので、駅に着くたびに黄色にペイントされた看板に書かれた地名でしか、自分がどこにいるかを確認する術はない。
むろん現代では、GPSつきのスマートフォンでたちどころに、だいたいどのあたりを走行しているか分かるのだろうが。

わたしが初めてインド鉄道を利用したのは2001年、プネから南のアーンドラ・プラデーシュ州(現テーランガーナー州)ハイデラーバードへの旅だった。
州が変われば、駅名を示す看板の文字もマラーティー語のデヴナーグリー文字から丸っこいテルグー文字になり、駅で売られるスナックが、プーリーやサモーサーなどの揚げパンから、ビリヤーニーやドーサなどの米をベースとしたものになっていく。

時に単調な車窓ではあるものの、インドの広さを身体ごと実感でき、インドの匂いを鼻腔にこびりつかせる、まさに五感に訴える旅であり、その記憶は「チャイ、チャイ〜〜〜」というチャーイ売りの呼び声とともに、15年経った今も鮮明だ。

本日の参考記事:
This Canadian spent 85 hours on the longest train journey in India, shopping at the bustling market on the train






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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