「The Hindu」の記事で、ムンバイーのダーダル（Dadar）に「パールシー・コロニー（Parsi Corony）」があることを知った。

In search of Freddie Mercury’s Indian roots

世界最大のゾロアスター教徒（パールシー教徒）居住地とされるパールシー・コロニーは、19世紀の腺ペスト（bubonic plague）大流行の後、1890年代半ばに設立された。
アールデコ様式やネオクラシカル様式の建物が並ぶ、緑豊かなこの地域は、土木技師のマンチェルジー・エドゥルジ・ジョーシー（Mancherji Edulji Joshi）氏の手がけたもの。
かつては低地の湿地帯だったこの場所をパールシーたちのために確保すべく、当時の宗主国イギリスと交渉して獲得した。
アギヤーリー（拝火神殿）（Rustom Faramna agiary）、学校、神学校（マドラサ）、結婚式場、そして各通りに植える樹木の種類まで指定して建設された、このコロニーは、急速に変化する都市において、ゾロアスター教の文化と伝統を静かに守る。

そんなコロニーを特別な場所にしているもうひとつの理由は、イギリスのロックバンド「クイーン（Queen）」のフロントマン、フレディ・マーキュリー（Freddie Mercury）の存在である。

パールシー教徒であるフレディの本名はファルーク・バルサラ（Farrokh Bulsara）と言う。
東アフリカのザンジバルで生まれ、マハーラーシュトラ州パンチガニ（Panchgani）にある寄宿学校セント・ピーターズ・スクール（St. Peter’s School）で学んだ。
家族は後にイギリスに引っ越したが、フレディと母親のジェル（Jer）、父親のボミ（Bomi）は、インドの親戚と連絡を取り合っていた。

コロニーに住むフレディの従兄弟にあたるジェハンギール・ブルサラ（Jehangir Bulsara）氏も、そのひとりだ。
セント・ピーターズに在学中のフレディは、休暇になると自宅で過ごしに来たという。
内気な少年がいつか世界的なスターになるとは、誰も思っていなかった。
「私もクイーンの熱烈なファンです。そしてフレディの最も素晴らしいところは、常に自分自身を改革していたところにあります」とジェハンギール氏。
一方、家族は質素で謙虚なままだった。

またフレディは実際には自分の民族性について公に語ったり、パールシーの血統について話したりすることはなかった。
人種的偏見を恐れ、欧米の音楽業界で移民として見られることを望まなかった。
このため、ファルークはフレディと改名し、姓を自身の曲「My Fairy King」から、マーキュリーとした。

参考記事: Dadar Parsi Colony_ Cherishing the Bombay that was _ Architectural Digest India

関連記事: 映画「ボヘミアンラプソディー」を鑑賞：フレディさんとインドとの繋がり備忘録 22 Nov 2018

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