今年の初物マンゴー、お味はまだまだリハーサル

 

Posted on 18 Apr 2016 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

「大きな犠牲」を払ってまで買ってきてくれた、今年初マンゴーです。



いつも仕事ばかりしていて、家事やその他いろいろなことを、シッダールタさんに任せきりになっていることに、最近けっこう罪悪感を感じている。
少し仕事をセーブして、もっと他のことに目を向けないといけないと分かっているのだけど、なかなかうまく調整ができず、まさに仕事中毒症状から抜け出せずにいる。

わたしが大きな負担をかけているためか、シッダールタさんの疲れが溜まりがちのようで、気になっている。

明日から一足先に一時帰国の途に就くわたしが今シーズンを逃さないようにとの思いやりを込めて、特別に暑い日だった本日の夕方、まだ1ダース350ルピーと割高ではあるものの、マンゴーを買いに行ってくれた。

ところがその折に、財布をうっかりどこかに落としてしまったようで、クレジットカードと現金1000ルピーあまり、運転免許証、そして昨年の初夏、福岡で購入した、刑務所受刑者による手作り革財布をなくしてしまったようだ。
すぐ近くの店だったので、帰り道にくまなく探したようだが、どこにもなかった。
善意のある人が拾ったのであれば、中に入っていた名刺を見て連絡をくれるはずなので、今まで何もないということは、おそらく誰かが持っていってしまったのだろう。

もちろんクレジットカード2枚はすぐに利用停止にしたが、現金は戻らない。
「被害金額は幸い1000ルピー(およそ1800円)ぐらいで済んだけど、むしろ、あの現金をものすごく必要とした人が拾ったに違いない。思わぬ形で人助けをしたと思えばよい」ということにして、あとは面倒な運転免許証の更新のことだけ考えるようにした。

そんな経緯で手に入れたマンゴーだったから、わたしにとっては苦いような、酸っぱいような、甘いような、複雑な味に感じられた。
これが、今年のわたしの、短い夏の味だった。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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