インドだけじゃない、トマトの高騰したイギリスで食べにくくなった国民食とは

 

Posted on 15 Oct 2023 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

今や逆輸入したインドでも大人気の料理になってるよね。



気候変動の影響で、もはや「イギリスの国民食」になっているインド料理、チキン・ティッカ・マサラ(Chicken Tikka Masala)が値上がりしているという話題を見つけた。

Chicken tikka masala price soars due to climate change

一説によると、チキン・ティッカ・マサラという料理は、グラスゴー出身のシェフ、アリ・アフメッド・アスラム(Ali Ahmed Aslam)という人が、1970年代にスコットランドのインド料理店で発明したとされている。
下味にスパイスをたっぷり溶け込ませたヨーグルトに漬けたチキンをグリルし、クリーミーなトマトベースのソース(カレー)で煮込む。

その材料費は過去1年間で17パーセントも急騰している。
例えばトマト缶の価格は、過去1年間で32パーセントも上昇し、玉ねぎは26パーセント、食用油は38パーセントも値上がりしている。

エネルギーや気候変動を専門に調査する(Energy & Climate Intelligence Unit、ECIU)の研究グループによると、こうした物価上昇の約3分の1は、熱波、干ばつ、暴風雨、降雨量の増加といった気候変動が原因であると推定されている。

同グループでは、2022年の干ばつによりイギリス国内では玉ねぎの収量が30パーセント減少、2023年初頭の北アフリカと南ヨーロッパの異常気象により、トマトとピーマンの品不足と価格高騰が発生した。
一方、インドを含む南アジアや東南アジアでは、予測不能な天候がコメの供給を脅かし、特にインドは大雨による農作物への被害を受けて7月にバスマティ米の輸出を禁止している。

2022年の食料価格に関するECIUの別の報告書によれば、気候変動に関連する物価上昇がイギリスの平均家庭食費を、食糧インフレの37パーセントに相当する年間170ポンド圧迫している。

今年、インドでもトマトの価格が1キロあたり○ルピーまで高騰した後、雨季の中休みに収量が増えて一気に○ルピーまで下がるという現象が起こっていた。
わたしたちが思うよりもっと早く、気候変動は暮らしに大きな影響を及ぼしているのだな。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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