マッディヤ・プラデーシュ州の小さな町から世界へ名を馳せるデザイナー

 

Posted on 02 Mar 2023 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

同年代ということもあり、敬服します。



印象的なサリーをクールに身に着けた女性の写真に目が留まり、その波乱万丈なサクセスストーリーに魅せられた。

From Being Penniless at 17 to Becoming the 1st Indian Woman at Paris Couture Week

2021年7月5日から8日までの日程で開催されたパリのオートクチュール・コレクションに参加した初のインド人女性デザイナーとなった女性だ。

発表当時43歳のヴァイシャリ・シャダングル(Vaishali Shadangule)さん。
「17歳の時、夢と服だけを背負って家を出た」というヴァイシャリさんの、20代前半までの人生は決して恵まれているとはほど遠いものだった。

マッディヤ・プラデーシュ州ヴィディシャ(Vidisha)出身。
生まれ育った小さな町が与えてくれた貴重な教訓は、今でもデザインの仕事に活かされている。
循環型経済と持続可能性について、今でこそ多くのことが語られているが、姉のお古を着た少女時代、しかも使い古された服はさらにカーテンやテーブルクロスとして再利用されていくのを見てきたヴァイシャリさんにとっては、そうした考えは普遍的なものだ。

17歳で州都ボーパールに出てきて、建築関係の事務所で500ルピーの月給を得て生活しながら、ファッションやデザイン、スタイリングに関する勉強を独学で始めた。

その後グジャーラート州ヴァドーダラーに移り、イラストレーターとしての仕事に就いた。
そこで貯めたお金で、最初の大きな転機となるチャンスをつかみ、1998年にムンバイーに引っ越した。
座右の銘としていたのは、どんな仕事でも引き受けるということだ。
ムンバイーでは輸出会社でデザイナーとして働き、並行してジムで栄養や食事に関するアドバイスを提供する仕事もした。

2001年、貯めたお金とおよそ5万ルピーの銀行ローンを元手に、ムンバイーの住宅街マラドに最初のブティックをオープンした。
それから10年以内にムンバイーでさらに2店舗を開業、1歳半の娘がいたが、経済的にも十分に安定したことから、デリーの大学パール・アカデミー(Pearl Academy)でファッションを学ぶ余裕ができた。

パール・アカデミーの卒業後は、さらにミラノのドムス・アカデミー(Domus Academy)に進学し、ファッションを専攻した。

2011年、インド最大のコレクションであるラクメ・ファッション・ウィーク(Lakme Fashion Week)で発表する機会を得た。
2015年にはニューヨーク・コレクション(New York Fashion Week)で発表している。

ヴァイシャリさんのブランド:
VAISHALI S, a couture brand from Mumbai, India


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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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