おいしくて身体にも環境にも優しい食器: ヴィシャーカーパトナム

 

Posted on 13 Feb 2023 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

まだ遭遇したことはないのですが、とってもおいしそう。Photo from The Better India.



使用後はパリパリとおいしく食べられる、食用のカトラリーやお皿、カップ。
まだまだプラスチック大国という汚名を返上できていない日本では、ほとんど見かけることはないが、使い捨てプラスチックの使用が早々に禁止された経緯のあるインドでは、たびたび話題に上り、実際にいくつかの会社が輸出向けも含めて製造している。

その食用食器を、食べる人の健康まで考えて作っている人がアーンドラ・プラデーシュ州にいる。
「The Better India」が紹介していた。

Andhra Teacher’s Indigenous Grain, Edible Cups Use Rice & Ragi; Earn Rs 10 Lakh/Year

ヴィシャーカーパトナム(Visakhapatnam)県のジャヤラクシュミー(T Jayalakshmi)さん(33)は、小さな工房でコメとラギ(ragi)というヒエの一種を主原料とした食用ティーカップを製造している。

元私立学校の教師だったジャヤラクシュミーさんは、コロナ禍による夫の失業をきっかけに起業した。
事業は現在、インド全土から注文が殺到するほどの大成功を遂げ、毎月およそ3万~4万カップを製造、年間70~100万ルピーの収入を達成している。

チャーイやコーヒーは毎日飲むもので、その入れ物としてのカップはプラスチックや紙、粘土でもふさわしくないと思ったことがきっかけだ。
「食べられるカップのほとんどは小麦粉を原料としていたのも、アレルギーなどの健康上の問題があり得ると考えました」、現在の原料に至った過程をそう説明する。

起業にあたっては、零細食品加工業向け政府スキーム(Pradhan Mantri Formalization)からの融資を利用すると同時に、持っていた金製のアクセサリーを担保として銀行に提供し、資金を調達した。

ラギとコメとの配合割合を試行錯誤の末、できあがったカップは、熱い飲み物を最大20分間、入れておける。
60ミリリットルと80ミリリットルの2つのサイズを用意、価格はそれぞれ2.5ルピーと3.5ルピーで販売している。
また、チョコレート、ストロベリー、バニラ、カルダモン(elaichi)などのフレーバータイプも用意している。

現在はカップのほか、アイスクリームやチャート(chaat、塩味のスナックを、みじん切りのサラダとヨーグルトで和える軽食)などの冷たい飲食物に使えるボウルの開発も進めている。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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