バイオディーゼル燃料で走る列車が走行を開始:カルナータカ

 

Posted on 14 Dec 2015 06:00 in トラベル・インド by Yoko Deshmukh



一時帰国中で福岡にいる。
日本のテレビでは、北京の深刻な大気汚染について連日報道されている。
どうやら日本でも、中国から飛んできた大気汚染物質で具合が悪くなる人がいるらしい。

わたしの住むプネも、おそらく深刻な大気汚染に侵されているだろう。
短い冬季を迎える今の時分、朝など大気が冷えてくると、うっすら空が霧がかっている。
そしてわたしは、バイクやオートリクシャーなどオープンエアな乗り物に揺られて15分もいると、鼻の穴の中が煤で真っ黒になる、という生活を10年以上、送っている。
しかし幸いにして強靭な体力の持ち主のようで、いままで喘息はおろか、アレルギーひとつもらうことなく、いたって元気に暮らしている。

とはいえインドとしては、大気汚染や二酸化炭素の排出に無関心ではいられない。
The Hindu」が、インド鉄道が南部インド(South Western Railway部門:SWR)で、バイオディーゼルを燃料とする列車の運行を今月3日から開始したと報じていた。

バイオディーゼルを採用している列車はカルナータカ(Karnataka)州フーブリー(Hubballi)とベンガルール(Bengaluru)を結ぶディーゼル機関車「Hubballi- Bengaluru Jan Shatabdhi Express」で、燃料にはおよそ5%のハイスピード・ディーゼル(High Speed Diesel)を混ぜているが、燃費の大幅な削減に結びついているようだ。
燃料はインディアン・オイル(Indian Oil Corporation)が供給、同社はまた、現在はフーブリーとベンガルール、ホスペット(Hosapete)に、1日の50本もの列車を給油できる特別な給油所を設けている。
SWRでは、燃料費が安価で環境への影響が少ないため、段階的に採用する列車を増やしていくとしている。

先日、フランスのパリで開催された地球環境サミット「COP 21」では、先進国と途上国との間での、環境問題に対する取り組みを巡る役割分担が議論の焦点となっていたが、最先端の環境配慮型車両の開発技術を、惜しみなく途上国に提供し、また現地での生産を支援することが、何よりも求められる。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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