メトロ駅からの足といえば、ミニマイクロバスのようなものも複数台、運行している。
運転手さんたちは、電車が到着して乗客らが降りて来るや、行先を怒鳴りながら ♪パラリラパラリラ♪ とクラクションをぶち鳴らし、例の威勢で人々を急かすのである。
そう、ステートトランスポート(州間連絡)バスやボルボ・バス(堅牢なボルボ製と銘打つ長距離バス)などの発車時や、休憩時間の終了を乗客らに知らせる時の、あの調子。
ぐずぐずするやつぁ置いてくぞ!
この ♪パラリラ♪ を聞くと旅情をかきたてられる、わたしはもう、インドネイティブになっているのである。
ウェルカムホテル目の前の、ドワルカ・セクター10駅は、デリーメトロのブルーラインにあり、コンノート・プレイスのあるラージーヴ・チョウク駅(ニューデリー駅のあるイエロー・ラインに乗り換えできる)などの市街地までは、45分ほどかかってしまうが、乗り換えなしに出かけられる。
もし、プネの自宅から徒歩10分以内のところに、デリーメトロほどの交通機関があれば、お出かけするのがもうちょっと頻繁になったかなぁ。
ドワルカ・セクター10駅構内でビラ配りをする人
初めてのメトロ駅にはしゃいで、おのぼりさん丸出しで写真をバシバシ撮っていたら、まず通行人の方に、続いてキオスクの方に、そして最後に警察官に、立て続けに「駅構内での撮影はイカン!」と叱られてしまった。
あれっ、そりゃごめんよ。
あわててカメラをポシェットに引っ込め、首をすくめて詫びてみるのだった。
これ以降、駅構内での写真は、周囲にばれないよう、こっそりと撮影することにする。
それにしても誰もがカメラつき携帯を持っているこのご時世、完全に撮影を禁止するのは難しいでしょうね。
実際、駅構内ではわたし以外にも、周囲にバレてないと思っている人たちが、写真を撮っていた。
デリーメトロにはプネに帰る日の朝、シッダールタさん親戚宅を訪問した際に乗車することができた。
その日は日曜日だったためか空いており、親戚宅を訪問した後に、夕方のフライトまで時間があったので、ドワルカ・セクター10駅からラージーヴ・チョウク駅までを改めて往復してみた。
乗車体験については、後ほどゆっくり記したい。
こっそり撮ったドワルカ・セクター10駅構内。お菓子や飲料が収まる自動販売機があった
流れるように走る、空調の効いたメトロ車内から、デリーの街並みを眺めながら、本当にすばらしい時代が、インドにも到来した実感を噛み締めていた。
ただし平日朝晩ラッシュアワーの混みようは、やはり凄まじいというから、観光客が乗るのは平日の日中か、週末にしておいたほうがいいかも。
ところで今回のデリー訪問は、OCI取得が主な目的であり、仕事もあまり休めないので日程は短め、かつデリーから日帰りながらアーグラー観光まで組んでいたので、少しスケジュールがタイトである。
したがって効率的かつマイペースに旅程を組むつもりでいたが、TwitterやFacebookなど及びもつかぬ強靭な「インド・ファミリー連絡網」、シッダールタさん母だけが知っているはずの、わたしたちの行動予定は、いつの間にか親戚中に把握されていた。
こうして、ほとんど会ったこともないのに、たまたまデリー在住の親戚というだけで、お宅訪問を避けられない事態となったのである。
駅前で待機するサイクルリクシャーとオートリクシャー
話はそれてしまうが、近年はワッツアップ(WhatsApp)というスマホのメッセージアプリが広く普及している。
今やそこに「親戚グループ」が作成され、マハーラーシュトラ州のド田舎ワランガオン(Varangaon)に住む家族から、アメリカ在住の家族に至る「親戚情報」が、毎日リアルタイムで飛び込んでくるようになっている。
とはいえ、この「親戚グループ」のタイムラインは四六時中、半裸の坊さんの写真(ウェブから取ってきた、どこぞの聖人の写真)やら、「インドはこんなにすごい!」的スローガンやら、知らない赤ちゃんや動物の画像やらで埋め尽くされており、もはや何が大事なメッセージだか分からない、混沌とした状態となっている。
ゆえにこのグループ、さすがに「退室」してしまうと波風を立ててしまうため、こっそり「消音」設定にしてやり過ごしていることは、ここだけの話である。
と、このように時間のない旅程だったので、初日のアールケー・プラム(RK Puram)にあるデリーFRROオフィスと、かねてからの念願だったハウスカス・ヴィレッジ(Hauz Khas Village)への訪問は、Ola CabやUberを乗り継いで効率的に回ることにする。
公定オートリクシャー料金と、ほぼ変わらないためだ。
雨季でも蒸し暑いデリー。冷房の効いたタクシーなら移動も快適
いずれのタクシー会社も、事前にインストールしておいた携帯アプリ上から、郊外のドワルカでさえ、ほぼ5分以内に配車できた。
この日は4台ほどのタクシーを利用したが、どの運転手さんも誠実で、アプリからの配車後、すぐに折り返し電話をくれ、どこで待っているか確認するなど、きちんとしていたことが、とても印象的だった。
一番待ったケースでも、交通が混乱気味のハウスカス・ヴィレッジ周辺での15分程度で、その時も迎えに来た運転手さんは、嫌な顔ひとつせず、遅れを詫びてすらくれた。
ハウスカスで見かけたリスさん
むしろ昨年末、Ola Cab発祥の地ベンガルールで利用した時のほうが、乗りたいときに限ってまったくタクシーがつかまらないことが多く、しかもようやくつかまったタクシーも、いざ目的地に到着すると「釣銭がない」攻撃で料金をごまかされたことが複数件あった。
またプネでもOla CabやUberは運行しているものの、まだまだ全域をカバーしていないと聞く。
新型タクシーサービスについても、デリーはとても便利で使い勝手がよい場所であると言えそうだ。
2日目のデリー市内1日観光と、3日目アーグラー日帰り旅行時の早朝および深夜のニューデリー駅往復送迎は、有名なシゲタトラベルにお願いして、噂通りのすばらしいサービスを堪能した。
こちらについては、また詳しくお伝えしたい。
ドワルカの交差点からメトロの高架を望む
デリーで最初に食べたもの、カチョリ・チャート。パニールとザクロの実がトッピングされて豪華。
ヒヨコ豆がクタクタに煮込んであり、チャートマサラが効いている。
デリーで最初に食べたもの、チャイニーズ・チョプスイ。
麺が堅すぎて具と絡まず、しかも歯茎に突き刺さって食べにくい。
ドワルカ・セクター10駅
(続く)