オートワラーを意のままに操るアメリカ人女性

 

Posted on 16 Jul 2015 17:42 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

ちょっと困った顔のリクシャーワーラーが、かわいいです。



この話を仕事帰りの車の中で、夫から聞いたときには正直、「明るくたくましいアメリカ人女性、あっぱれと、好感は持てるけど、あ~あ~あ、オートワラーもオートワラーだよ、まるで幼児をあやすような手にまんまと丸め込まれちゃって単純だね。そんなら最初から、真面目に誠実に商売しろっての」と、額を打ちたくなってしまった。
 
インドの特に有名な観光地や大都市で、オートリクシャー(自動三輪タクシー)を利用したことのある方の多くが、乗車拒否や運賃の吹っかけ(俗にいう「メーター拒否」)に遭遇されたことがあるだろう。
 
そんな困ったオートワラー(オートリクシャー運転手)に、あるアメリカ人女性が画期的な「対処」に打って出た。
 
クリスティンさんは、比較的オートリクシャーが悪名高くないと考えられる、南部テーランガーナー州ハイデラバードに在住し、仕事を持っているため、通勤など日常的にオートリクシャーを利用している。
そんな彼女も毎回、面倒な料金交渉や乗車拒否に、頭を悩ませていたという。
 
そこでクリスティンさんは、腹を立てたり無視したりする代わりに、オートリクシャーをキャッチすると必ず「ある儀式」を行い、ほぼ100%の確率で目的地にメーター通りに行ってもらうことに成功しているという。
 
まずクリスティンさんは、停車したオートリクシャーにひとまず乗り込み、すぐには行先を告げない。
その代わり、「あたし時間はあるのよ(Mein bekaar hoon)」と言うや携帯電話のビデオカメラを回し、流ちょうなヒンディ語で、まるで大見得を切るかのような仰々しい語調でもって、「オート乗車実況中継」を始めるのだ。
そして困惑し、「あなたはどこへ行きたいのか」と問いかけるオートワラーに、ボリウッド映画の人気ソングをお見舞い、ようやく行先を告げて、「それからメーターも忘れずに」と付け加える。
 
「この『技』を編み出すのに20年かかりました。でも今では、行きたいところへ、いつでもメーターで行ってもらえるようになりました」
クリスティンさんは動画の説明に、このように書き込んでいる。
 
むしろクリスティンさんにしかできない「技」だと思うが、こんなことして遊べたら、楽しいだろうな。
詳細は、クリスティンさん自身が携帯電話のカメラで撮影した動画を、下記に貼り付けているので、ぜひ観て欲しい。
 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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