1代で大きな富を築くインド人には、慈善家も多い。
ドバイを拠点に教育ビジネスを展開する58歳のインド人起業家が、その成功した事業により築いた財産の半分以上を、世界中の教育者への支援に投げ打つと発表し、話題を呼んでいる。
NDTVが報じたところによると、ケーララ州出身のサニー・バーキー(Sunny Varkey)氏は、有名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏や、米マイクロソフト創業者で慈善活動家のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏、およびその夫人であるメリンダ・ゲイツ(Melinda Gates)氏が提唱する、億万長者に財産の社会貢献活動への寄付を呼びかける活動「The Giving Pledge」に賛同、今回の行動に踏み切った。
同様に財産を投じた億万長者としては、フェースブック創業者マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)や、ヴァージン・グループ(Virgin Group)最高経営責任者(CEO)のリチャード・ブランソン(Richard Branson)氏、インド人では大手IT会社ウィプロ(Wipro)創業者のアズィム・プレムジー(Azim Premji)氏など136名が名を連ねる。
「幼い頃から、決して収入は多くなかった父が、時には家族の快適な生活を多少犠牲にしてでも、持てる財産を地域社会と分かち合う姿を見てきた。そのおかげで、本当に価値ある寄付とは、与える側にもなんらかの『痛み』を伴うものであることを、当然に受け入れることができるようになった。特に教育の拡充は、暴力、貧困、保健衛生といった大きな問題のほとんどに、解決への糸口を与えてくれるものであると信じている」バーキー氏。
バーキー氏は世界153カ国以上に14万人の学生を有する、世界でも有数の規模を誇る教育事業「Gems Education」を創業、経営する傍ら、質の高い教師を養成する財団、「Varkey Foundation」を立ち上げ、社会貢献している。
ITやインターネットを中心に、これまで存在しなかった新しい分野の商売やビジネスがインドでも勃興しているが、成功を手にしたインド人たちが、その資産を社会に還元し、インドを、世界を、大きく変革する原動力になるような国であって欲しいと願う。