人口大国インドで、「無人」のソリューションは、果たして不穏因子となるだろうか、はたまた新たなイノベーションの種となるだろうか。
デリー・メトロは4日、初の運転士が要らない自動運転車両の納車を受けた。
NDTVほかが報じた。
完全に無人で運行できる車両は、韓国メーカー、「チャンウォン(昌原)」社製。
グジャラート州ムンドラ港に到着し、そこから陸路でデリーに運搬された。
デリー・メトロの発表によれば、この無人車両は、2016年末までに開業見込みの第3フェーズ(Phase 3)、マジリッシュ・パーク(Majlish Park)とシヴ・ビハール(Shiv Vihar)を結ぶ「ライン7」線、そしてジャナクプリ・ウェスト(Janakpuri West)とボタニカル・ガーデン(Botanical Garden)を結ぶ「ライン8」線で運行される見込み。
チャンウォン社は今年末までに、6車両連結20本の自動運転列車を、デリー・メトロ向けに生産する計画としている。
同時にベンガルールに拠点を置く国内企業「バーラト・アース・ムーバーズ(Earth Movers Limited)」が61本の列車生産に取り組んでいる。
今回納車された無人列車の収容人数は、1本6車両あたり2280名までとなっており、操縦室が不要のため現在運用されている列車より240名多く乗れる計算となっている。
さらにCCTVカメラを列車内外に備え、画像は直接、管制室がリアルタイムで監視できる。
デリー・メトロでは先月末、一部の駅で無線LANによるインターネットアクセスを提供すると発表している。
人口の増え続ける、まさに21世紀の地球の縮図であるインドにも、自動化の波は押し寄せている。
人間が関わらなくてもいい部分が増えることは、人的ミスの防止や生命の安全確保には役立つが、いっぽうで12億人以上の人口を養うためにも、人間にしかできない仕事とは何かを問い続けること、そして人材の高度化が一層、急務となるだろう。