2009年にノーベル化学賞を受賞した分子生物学者で、インド出身アメリカ人のヴェンカトラマン・ラーマクリシュナン(Dr Venkatraman Ramakrishnan)博士が、世界で最も歴史と権威のある科学学会として知られる「王立協会(Royal Society)」の会長に任命されたことを、同協会理事会が発表した。
NDTVほかが報じた。
ラーマクリシュナン博士は今年12月1日より、会長職に就任する。
博士はタミル・ナードゥ州チダンバラム生まれ。
王立協会初のインド出身者による会長就任となり、「英国の科学分野において、移民が大きな貢献をしていること、その重要性を訴える強いメッセージとなった」(同協会フェロー)
ラーマクリシュナン博士は、あらゆる生存細胞内に存在する、タンパク質を生合成する場としてのリボソームの正確な分子構造を発見した功績により、共同研究者である米エール大学トーマス・ステイツ(Thomas Steitz)氏、エルサレムはワイツマン研究所(Weizmann Institute of Science)のアダ・ヨナス(Ada Yonatu)氏とともに2009年、ノーベル化学賞を受賞した。
このほかラーマクリシュナン博士は2010年、プラティバー・パティール(Pratibha Patil)当時インド大統領から、インド最高ランクに準ずる国民栄誉賞、「パドマ・ビブーシャン(Padma Vibhushan)」を、また2011年には外国人としては稀な例として、英国勲爵士階級(Knighthood)の称号を、それぞれ授与された。
王立協会の伝統は1660年にまでさかのぼり、その会長には、アイザック・ニュートン、クリストファー・レン、サミュエル・ピープス、ジョセフ・バンクス、ハンフリー・デービー、アーネスト・ラザフォードなど、これまで科学の発展に大きな貢献をしてきた偉人たちが名を連ねている。
*Photo from The Hindu