インド準備銀行ラグラム・ラジャン(Raghuram Rajan)総裁が、国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト兼リサーチディレクターだった2005年当時、既に2008年に世界中を覆った信用危機について予告していたのに、その意見に耳を傾けなかったことはIMF最大の失策のひとつだったと、インドを訪問し、ラジャン氏と会談したクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)IMF専務理事が改めて「反省」していたことが分かった。
17日付けプレス・トラスト・オブ・インディアその他メディアが報じた。
ラジャン氏は2003年から2006年までIMFに所属、2005年に米国ジャクソンホールで開催された年次総会で、来たる金融危機の可能性について指摘していた。
「あの時、『ラグー(ラジャン氏の愛称)』だけが『1930年代以来の大規模な金融崩壊と大恐慌が迫りつつある』との警告を発していたが、誰もがそれを真剣に受け止めきれていなかったことは、IMFが犯した最大の過ちのひとつだ」ラガルド氏は話した。
ラガルド氏は現在、インドで実施されている「ラジャン体制」による金融政策は、民間銀行の権限拡大などを含めて、良い方向に進んでいると評している。
*Photo from NDTV