ケーララ州洪水被害:広がる支援の輪

 

Posted on 21 Aug 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

2016年冬に訪れた時は穏やかに流れる大堰川に心癒されましたが、この川も今年7月豪雨の時は危険水位に上昇しました。「寄付」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、「給与の1日分」とか「1週間分」とか考えることができると、気軽に協力できそうな気になりそうです。



東日本大震災の時、当時勤務していた職場は日本向け業務が中心だったし、一人よりも大勢で送金した方が効率もよいと考え、一緒に寄付をしようと仲間たちに呼び掛けたところ、経理部の責任者が中心となって即座にミーティングを招集してくれた。
そして、その日のうちに全社に社員名簿が回覧され、自分の名前のところに希望する金額を書き込めば、その月の給与からその金額を差し引き、集まった金額を経理部と日本オフィスの方々が調整し、被災地に送ってくださった。
確か、少なくとも10万ルピー(当時のレートで20万円以上)が、たった1日で集まったと記憶している。

この時、善意の計り知れない力を目の当たりにした。
その後も世界各地で災害や紛争が続き、助けを必要とする人たちの声を聴き、その様子を目にするたびに、他人事とは思わなくなった。

本日も「The Better India」では、ケーララ州の被害の状況と、支援の状況を伝えていた。

One Day’s Salary to Firefighter Force: 7 Ways Other States Are Coming to Kerala’s Aid! - The Better India

ケーララ州で100年に一度という甚大な規模で発生している洪水被害によるインフラへの損害は1,951.2億ルピーにも上ると試算されている。

これに対して、国内各州は次々と手を差し伸べている。

デリー連邦直轄領からは1億ルピーの援助と、アルヴィンド・ケジリワル(Arvind Kejriwal)首都圏首相率いる与党アーム・アードミ(Aam Aadmi)党議員は1ヶ月分の給与を寄付すると発表した。

オディシャ州からはナヴィーン・パタナイク(Naveen Patnaik)州首相は5,000万ルピーを2回に分けた計1億ルピーの援助と、245名の消防隊員の派遣を実施した。

タミル・ナードゥ州からはインドにおける高級官僚の最高峰とも言えるインド行政職(IAS:Indian Administrative Service)らが各自1日分の給与を寄付すると同時に、米500トン、ミルクパウダー300トン、ミルク1万5,000リットルを送った。

アーンドラ・プラデーシュやカルナータカなどの近隣州をはじめ、グジャラート、パンジャーブ、ビハール、マディヤ・プラデーシュ、西ベンガルの各州は、それぞれ1億ルピーの援助、ヒマーチャル・プラデーシュ、ウッタラーカンドは各州5,000万ルピー、チャッティスガルからは3,000万ルピー、マニプールからは2,000万ルピーが寄付された。

ラジャスターン州からは1億ルピーの支援金とともに、12隻のボートを展開する27名の州災害救助隊を派遣し、救助活動に当たっている。

マハーラーシュトラ州からは2億ルピーの支援金と、1,500万ルピー相当の食糧、11トンの乾燥食品の送付、州医療チームがエルナクラム、パタナムティッタ、トリスールの3都市で救援活動を展開している。

テーランガーナー州は2億5,000万ルピーの支援金と、清潔な飲料水を確保するための逆浸透マシンを提供した。

各州の行政はもちろん、民間の市民団体や一般市民、カマル・ハッサン(Kamal Hassan)やシッダールタ(Siddharth)などの著名俳優も支援を呼び掛けている。

ケーララ州政府公式義援金受付サイト - Stand With Kerala Kerala Flood Relief





    



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments