あのアムール、インド鉄道の冷蔵貨車に乗って全土へスピーディーに流通する時代に

 

Posted on 14 Nov 2017 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

おいしいバターやチーズ、チョコレートが、製造から日を置かずして隅々まで届けられることになりました。



※写真は数年前に東京・銀座駅で見かけたカットリンゴを冷蔵する自動販売機。
 

インド鉄道が数年前から導入している「冷蔵貨物車両」。
この車両を利用して、グジャラート州が誇る乳業会社、アムール(Amul:グジャラート州協同乳業マーケティング連盟[Gujarat Co-operative Milk Marketing Federation]が経営)が、自社で製造した新鮮なバターを、インド全土に出荷できるようになりつつある。
12日付の「The Times of India」電子版が伝えた。

In a first, Amul butter travels to Delhi via train - The Times of India



 

きっかけは先月23日、ツイッターでアムール(@Amul-Coop)がインド鉄道省(RailMinIndia)のアカウント宛てに、冷蔵貨車を利用して同社の商品をインド全土に流通できないか問い合わせたことだった。
鉄道省は快諾、翌24日にはアムール本社のあるグジャラート州アナンド(Anand)で鉄道省職員との間で会合が開かれ、合意が取りまとめられた。

アムールの委託を受けた最初の「冷蔵直送便」は今月11日、冷蔵車として連結されて工場最寄りのパランプル(Palanpur)から首都デリーへ出発した。

冷蔵貨車は果物や野菜、冷凍肉などの生鮮食品、チョコレートなどの輸送を効率よく行うことを目的として、数年前からインド鉄道が導入している。
ところが現時点では一部ルートのみの導入に留まっており、全国的な流通に至っていなかった。

今回のインド鉄道との提携に際し、アムール側はそのメリットを次のように説明している。
「毎月、グジャラート州の工場からバター、チーズ、チョコレート、アイスクリームなどの冷蔵・冷凍製品を1万トン出荷し、国内各地にトラックで輸送している。しかしこの手段だと、たとえばアッサム州グワハティに到着するまでに10日かかってしまう。インド鉄道の冷蔵車を利用することで、これが36時間まで短縮できる。しかも(インド鉄道の輸送網に便乗する形になることから輸送費用も大幅に削減できるようになるだろう。」

そういえばちょうど先日、実家のある福岡県を走るJR鹿児島本線の軌道を走る貨物列車を、踏切で停車した車の中から眺めていた。
連結貨車数を数えてみたら20両ぐらいで、平均100両ほど連結しているインド鉄道と比較してずいぶん可愛いね、とシッダールタと話していたものだ。





          



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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