ワダパオを売り続けて7年で年商4千400万ルピー、ムンバイー出身の実業家

 

Posted on 06 Oct 2017 21:00 in 海外のインド人 by Yoko Deshmukh

ワダパオが大好きで、いま日本への帰路にある機上の人となっている母へ贈る話題です。



ムンバイー出身の若者が、ロンドンでムンバイー名物のファストフード、ワダパオ(Vada Pav:マサラで味付けしたジャガイモを揚げたものをパンで挟んだもの)カッチー・ダベリ(Kutchi Dabeli:タマリンドとイチジクを材料とする甘辛いペーストにザクロの実やローストしたピーナッツをまぶしたものをパンで挟んだもの、グジャラート州出身者が考案した)を販売し、今や年商50万ポンド(およそ4,400万ルピー)を売り上げる一大ビジネスに成長させたことを、NDTVが伝えていた。

Mumbai Boys Make 4.4 Crores A Year Selling Vada-Pav To London - NDTV

現在ロンドンに住むスジャイ・ソハニ(Sujay Sohani)さんはムンバイー郊外のタネ(Thane)出身だが、2010年から、ワダパオを1ポンド(およそ80ルピー)、カッチー・ダベリを1.5ポンド(およそ130ルピー)で売り始めた。
「当初1カ月間はまったく鳴かず飛ばずで大変でした」ソハニさんは当時を振り返る。



 

そもそものきっかけはソハニさんの失業だった。
高級ホテルのレストランでの仕事を失ったソハニさんが、仕事を求め、つてというつてを頼って元同級生らに連絡を取っていた時、「(ロンドン在住だが相手に分かりやすいたとえ話として、ムンバイーでは安い食事の代名詞ともなっている)ワダパオを買う金すらない」という言い方をしていた。
その時に「ロンドンでワダパオを販売してはどうか」というアイデアが降臨したのだという。

数日後、さっそくソハニさんはその考えを、ムンバイー時代にバンドラ(Bandra)のカレッジでともにホテル経営を学んだ同窓生であった友人たちに話した。
以来7年間、ワダパオはロンドナーに広く受け入れられ、現在は市内に3つの支店を持ち、年商50万ポンドも売り上げるビジネスに成長した。

「景気後退のさなか、レストランが次々と閉店していくのをこの目で見てきました。次は我々かといつも不安でした」ソハニさん。

しかし、東南アジア系の移民が多く住むハウンズロー(Hounslow)というエリアに目を付け、安価なワダパオを売る場所を探していた時、あるポーランド移民が経営するカフェと話をつけ、その店のテーブル2席を、月400ポンドで借りられることになった。
なんとか開店にこぎつけたものの、当初は冒頭のように認知度が低く、地元商店街の買い物客に試食してもらうなどして広告宣伝に努力したという。

それから半年後、ワダパオは評判になり始め、近隣のインド料理店などとの提携を経て、今や3店舗に35名の多国籍従業員を抱える企業に成長した。

ワダパオで大成と言えば、わたしにとってはプネーの中心部、キャンプ(Camp)にあるガーデン・ワダパオ(Garden Vadapav)が真っ先に思い浮かぶのだが、まさに「ワダパオ1個」で海外で飄々と成功を手にしている人の存在は、大きな励みになるものだ。





                                



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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