競争激しいバンコクでもっとも予約の取りにくいインド料理店
Posted on 26 May 2017 23:00 in 海外のインド人 by Yoko Deshmukh
「歴史の後にはブランドが残る」という言葉は、すべてのプロフェッショナルにとっても心に響くものです。
*From Terminal 21 shopping mall by Asok Station, Bangkok
おいしいタイ料理をはじめとして、各国の美食を集める世界有数の食の宝庫であるバンコクにあって、もっとも予約の取りにくい超人気創作インド料理店がある。
「アジアトップ50」を3度も受賞した、その店の名前は「Gaggan」。
予約は通常4カ月待ち、毎日500人の客に料理を提供してきたのは4人のシェフで、今年12月、バンコク初となるミシュランの星獲得も安泰とささやかれている。
しかし料理長で店主のガガン・アナンド(Gaggan Anand)さんは、尊敬するメンターの後を追って、2020年までに店じまいすることを予告している。
Why This Indian Restaurant in Bangkok, Rated Asia's Best, is Shutting Down
「どんなレストランも寿命は10年。その後はブランドになるものだ」ガガンさん。
伝統的なインド料理の風味を大切にしながら、液体窒素などを投入した現代ならではの画期的な手法も取り入れ、その確かな味は世界中にファンを持つという。
それでも、アナンドさんは自身をシャンペン・ボトルになぞらえ、「一度栓を抜いたら気が抜けていく一方だ」として、あと3年で店を閉めることを予告している。
アナンドさんの店は今年、レストラン界のオスカーとされる「World's 50」で7位につけている。
アナンドさんが、こうした哲学を持つに至ったのは、自身がインターンをしていた超名門スペイン料理レストラン、「El Bulli」が2011年、惜しまれながら閉店したことを発端とする。
コルカタ出身のアナンドさんは39歳、インスタントラーメンを作った時に、できあがりがパッケージ写真とまったく違うものとなり大泣きしたという7歳の時から、すでに一流の料理人としての片鱗を覗かせていた。
忙しい店を尻目に、普段は料理の研究開発に勤しんでいるアナンドさんは、「Gaggan」こそ閉店すれど、バンコク市内でヨーロッパ料理やアジア料理、ステーキハウスなどを経営することで、キャッシュフローを回していく。
なんと福岡にある有名フレンチ、ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴー(La Maison de La Nature Goh)の福山剛(ふくやま・たけし)さんとコラボレーションし、月に20日間しかオープンしないレストランを日本にオープンする予定だとしている。
若いアナンドさんにとって、「最高の食」への旅路はまだまだ長そうだ。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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