30年間で地球を27周分航行した航空母艦、ついに引退

 

Posted on 04 Mar 2017 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

実際には60年以上、現役で働き続け、世界の海事最前線を見続けてきたことになります。



※写真はまったく関係ありませんが横浜港です。
 

スウェーデンで徴兵制が復活とのニュースに触れ、シリア情勢や北朝鮮の動向だけでなく、世界中が不穏な空気に包まれつつあるのかなという印象を抱く昨今。
いつのまにか、何が起きてもおかしくないような時代に、わたしたちはこのまま突入していくのだろうか。

そんな中、英国海軍が1950年代に建造、以来27年間は「HMS Hermes」として英国王室海軍に所属、その後インド海軍に引き継がれて30年間航行し、その間だけでも地球を27周した航空母艦、「INS Viraat」が今月6日、についに任務を終えることになったという話題を目にした。

World’s Oldest-Serving Warship, INS Viraat, Will Soon Sail Into the Waters of History

前任務では、南太平洋のフォークランド諸島を巡りアルゼンチンと対立したフォークランド紛争で、英王室海軍の旗艦を務めたこともあった。
1980年代に、第2の航空母艦を必要としていたインド海軍が6300万ポンド買い取り、以来任務を続行、ギネスで「現役の軍艦として世界最古」として記録されている。

洋上で過ごした日数な2,250日、航行距離は109万4,215キロにわたり、これは地球を27周した分の距離と等しい。

インド海軍では、1989年にはスリランカでの平和維持活動、そして1999年には「パキスタンが核兵器の利用も辞さない計画だった」とされたカルギル戦争にも出動した。

「海を制する者はすべてを制す(Jalamev Yasya, Balamev Tasya)」をモットーとして掲げた「INS Viraat」の任務はまもなく終わろうとしている。
現役引退後の「INS Viraat」は、博物館として改修する予定があるということで、1975年に英王室海軍のヘリコプターパイロットの任務に就いていた英チャールズ皇太子が使っていた船室などが保存されている。

現在、新しい航空母艦「INS Vikrant」が、ケーララ州コーチンの海軍基地で建設中のようだ。

この記事を読みながら、ゴアにある「海軍航空博物館(Naval Aviation Museum)」を思い出した。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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