灼熱の大地インドで「木を植えた男」の話

 

Posted on 16 Jun 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

気候の厳しさを考えると、その労苦は普通の人には想像しがたいものがあると思いますが、それでも朴訥に手を動かし続ける男性があります。



*The photo from Your Story

「木を植えた男」という、ジャン・ジオノ氏作の有名な絵本があるが、まさにその世界を今も現実にしている男性が、他でもないインドにいた。

カルナータカ州シュリーランガパトナに、たったひとりで、岩肌が剥き出しの荒涼とした大地を、鮮やかな緑の森に再生しようとしている男性がいる。
「Your Story」が伝えた。

Ramesh has converted a rocky hill into a lush green paradise all by himself

40歳になるラメーシュ(Ramesh Y)さんは5年の歳月をかけ、有名な巡礼地ヴェンカタラマナスワミ(Venkataramanaswamy)寺院周辺のカリガッタ(Karighatta)という丘陵地帯で、樹木や植生がまばらとなった土地を、たったひとりで緑化している。

この付近は酷暑による高温で水分の蒸発が著しいため、植物が十分に生育できない。
そこで堤防を築いてみたり、誰かが細流かんがい(drip irrigation)、いわゆる点滴式のかんがいが樹木の生育に有効だとアドバイスをすれば、限られた収入で創意工夫し、職業とするミネラルウォーター販売用の使用済み容器を有効活用し、上半分を切り取って口の部分に穴を開け、少しずつ散水する仕組みを作るなどして、一心に取り組んできた。

こうした努力にいち早く反応したのは野鳥だ。
「水のあるところを敏感に察知して多くの野鳥が飛来するようになった。そこで鳥たちが水を飲みやすいよう、散水タンクに止まり木を取り付けた」優しさにあふれるラメーシュさん。

現在はニームやジャックフルーツ、タマリンド、ピンナータなどの苗木も植え、収穫した種子を市場に売りに行くこともあるという。
「夢は、周辺をうっそうとした森林に変え、この地域の降水量を改善すること」ラメーシュさんは抱負を述べている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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