インド経済、2028年に世界第3位へ

 

Posted on 14 Mar 2025 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

数字だけがひとり歩きしていて、肝心の国力が伴っていないんだよにゃ。



モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)の報告書によれば、インドの経済規模は今後3年間で5.7兆ドルに達し、2028年までに世界第3位の経済大国になる見通しとなっている。

India to become world’s third-largest economy by 2028, GDP growth projected to hit $5.7 trillion: Morgan Stanley

インド経済は、マクロ経済政策とインフラ整備の改善により世界生産高に占める割合が高まり、2023年の3.5兆ドルから2026年には4.7兆ドルに拡大するとされている。

これにより、同年には米国・中国・ドイツに次ぐ世界第4位の経済規模となる可能性がある。さらに2028年には5.7兆ドルに達してドイツを追い抜き、世界で最も需要が高い消費者市場の一つになるとの分析結果が示されている。

同報告書では、世界のGDPに占めるインドのシェアが2029年に3.5%から4.5%へ上昇すると見込まれている。またインドの成長について、以下3つのシナリオを提示している。
ベア・シナリオ(Bear Scenario)では、2025年の3.65兆ドルから2035年に6.6兆ドルへ拡大するとしている。
ベースシナリオ(Base Scenario)では、同期間に8.8兆ドルへ成長するとしている。
ブル・シナリオ(Bull Scenario)では、同期間に10.3兆ドルまで拡大するとしている。

一人当たりGDPについては、ベア・シナリオで2025年の2,514ドルから2035年には4,247ドル、ベースシナリオでは5,683ドル、ブル・シナリオでは6,706ドルへ上昇すると見込まれている。
投資面では、公共部門と家計部門の設備投資が成長を牽引し、民間企業の設備投資は徐々に回復していると報告されている。

堅調なサービス輸出は労働市場にとって好材料であり、インフレの緩和は購買力を高める可能性があるとしている。
金融政策と財政政策の支援により国内需要が成長の主要原動力となる可能性が高いとの分析も示されている。
消費者物価指数(CPI)は食品価格の緩和とコアインフレの安定により、短期的なピークから4%近くまで低下したとされている。

総合インフレ率の動向は食品価格(CPIバスケットの46%)に大きく左右されるが、今後数カ月で軟化する見込みと報告されている。
さらに、2026年度のインフレ率は前年比4.3%と、2025年度の4.9%から低下するとの予想が示されている。
金融政策ではインド準備銀行(RBI)が金利や流動性、規制などを緩和しており、モルガン・スタンレーは4月にさらに25ベーシスポイントの利下げが実施される可能性があると見ている。

財政面では、予算案により消費(所得税減税を通じた刺激)と設備投資に有利な支出構成が図られており、成長回復の強化とマクロの安定性維持を両立させる方針が示されている。
成長へのリスク要因としては、主に外部要因が挙げられている。
具体的には、米国政府の貿易・関税政策の動向、ドル高、米連邦準備制度(FRB)の対応方針、世界全体の成長率および金融環境が注視されている。

国内面では、州レベルでの財政運営やマクロの安定性を損なう政策変更に関する動きがリスク要因として追跡対象になっていると報告されている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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