寺院で発生する生花の廃棄物を活用する取り組み

 

Posted on 13 Jul 2024 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

写真はシンガポールの中心部にある寺院です。割とお若い僧侶のたくましい上半身が印象的でした。



インド政府による官報で、寺院から日々発生する生花を環境に配慮した原料に変える取り組みを紹介していた。

Floral Waste is boosting circularity in economy

寺院では、僧侶や信者に生花を廃棄物として川に捨てないよう啓蒙している。
こうした取り組みを「グリーンテンプル」と呼び、環境に配慮した寺院運営を政策として組み込む。
供物として伝統的に使用されてきた花ではなく、「デジタルオファリング(Digital Offering)」や生分解性素材を推進するなどを提案する。

また生花栽培を通じた女性の雇用機会創出や、ほとんどが生分解性である生花廃棄物を、水質汚染を招く埋め立て地ではなく、効果的にリサイクルできる道を目指す。

国連の気候変動報告書によると、ガンジス川だけで年間800万トンを超える生花廃棄物が発生しているが、国内の社会的起業家らがこれらを回収し、有機堆肥、石鹸、キャンドル、線香などの商品へのリサイクルを試みている。

たとえばウッジャイン(Ujjain)ウジャインのマハーラーカレシュワル寺院(Mahalakaleshwar Temple)は、毎日7万5,000人から10万人規模の参拝者を集めており、毎日5~6トンの生花を廃棄物として発生させている。
そこで「Pushpanjali Econirmit」と名付けられた専用車両が廃棄物を収集、3TPDプラントで処理して環境に負担の少ない原料に替えている。
これを用いて地域の自助グループに所属する16名の女性たちが商品を製作、収入を得ている。
さらに農業向けのブリケットや堆肥、またはバイオ燃料にも姿を変えている。

ムンバイーを拠点とするブティックの「Adiv Pure Nature」は、寺院で廃棄された花を天然染料に変え、生地、衣類、スカーフ、テーブルリネン、トートバッグなどのテキスタイル製品を製造している。
同社は週に3回、生花廃棄物を収集、その量は1週間あたり1,000~1,500キログラムにのぼる。
天然染料の原料としては、マリーゴールド、バラ、ハイビスカスの他に、ココナッツの殻も使う。

この他、カーンプルやブッダガヤ、ティルパティなどでリサイクル事業を展開する企業数社の事例を紹介していた。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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