ペナンからクアラルンプールへ、長距離バスの旅

 

Posted on 15 Sep 2018 21:00 in トラベルASKSiddhi by Yoko Deshmukh

このバス会社が悪徳だったと決めつけるつもりはありませんが、次回はもう少しよく調べてから予約しようと思いました。



ペナン島からクアラルンプール行きの長距離バスは、ジョージタウン随一の高層タワー、コムタ(Komtar)併設のショッピングモールにテナントとして入っている各長距離バス運営会社代理店から好きなところを選んで予約する。
運賃は35~40リンギット、1,000円ぐらいと、移動手段としては格安だ。
よほどの休暇シーズン、大移動シーズン(春節やハリ・ラヤ・プアサなど)に引っ掛からなければ、かなりの数の会社が相当な頻度で運行しているので、希望する時間に乗れないということはほとんどないのだろう。



 

我々の場合は日程が限られていたことと、当初予定していた鉄道での旅が時間帯的に難しそうだったことから、乗車予定の2日前には予約を済ませておいた。
この時、事前にネットで調べて2回ほど名前が出てきた「Billion Stars」という会社がいいのだろうと思い込み、数あるオペレーターの中からこちらの事務所をわざわざ探し、足を運んで予約した。



 

さて、乗車当日。
予約したバス会社の事務所前がバス乗り場と指定されていたので、出発時刻とされていた9時10分よりも20分ほど前までには行って待っていたが、9時30分になっても来ない。
事務所の女性に尋ねても、原因不明の遅れとしか分からない。
そのうちワゴン車がやって来て、郊外にあるスンガイ・バスターミナル(Sungai Nibong Bus Terminal)まで我々を送ってくれることになった。



 

バスターミナルに到着しても、該当のバスはまだない。
こちらを10時発ということだが、10時半を過ぎても一向に来る気配がない。
その間、他の会社のバスは次々に到着し、そして去っていく。

ターミナル2階にあるバス運行会社のカウンターの中から、オペレーターの「Billion Stars」カウンターにいる男性(予約時に対応してくれた若い男性だった)に聞いても、「タイヤがパンクして取り換えている。GPSを装備していないバスなので、現在どこにいるのか、どうなっているのか分からない。もしかしたら別のバスで来るかもしれない」という回答。
それ以外の具体的な情報は何もなく、大体の時間を教えてくれと畳み掛けると、ようやく「11:30-ish」と限りなく曖昧な返答。



 

バスターミナルにはご覧の通り座るところは何ひとつないが、このような、いつバスが来るか分からない状況では、冷房の効いた2階の休憩室で待っているわけにもいかず、立ち通しでいるしかない。
外国人ツーリストの姿も皆無である。
移動手段にバスを選んでよかったのだろうかという不安が最高潮に達したころ、カウンターボーイが言った通り11時半ごろになってようやく、1台の「Billion Stars」印のバスがターミナルに入ってきた。
コムタの事務所レディが伝えたバスのナンバーとは異なるので、どうやらバスを交換したのだろう。
この時点で出発予定時刻から2時間半が経過していたが、ともかく当日には出発できることになって、ホッと胸をなでおろした。

ペナン島と本土を結ぶ橋は2本あり、この日はそのうち2014年に開通した第2大橋を通過した。
全長24キロで、渡り終えるのにゆうに20分はかかる長大なものだった。

マレーシア・ペナン島のペナン第2大橋が開通 東南アジア最長の橋

バスはサスペンションがきいており、リクライニングもかなり深くできるので快適だ。
ネットで散見された「冷房が殺人的に効きすぎていて、風邪を引いてしまうぐらい寒い」というコメントに恐れおののき、重ね着をして臨んだが、座席上の送風口を閉じたことと、運転席のすぐ後ろで、運転手が高速道路の走行中も窓を開けっぱなしにしていたことから、それほど寒くなかった。
道路の状態はインドと比べると非常に良好で、スムーズに走行した。

ただし長距離バスは格安な分、地元の人にもツーリストにも人気があり、常に需要が高いから高を括っているのか、バスのメンテナンスが不十分のようで、実際出入り口のドアがきちんと閉まっていないまま、100キロ近くのスピードで爆走していて恐ろしかった。

なお、バスは休憩地点であるパーキングエリアに2回、それぞれ10分ずつ停車した。



 

パーキングエリアのトイレは、個室数が少なめで特に女性トイレはすぐ行列する。
トイレはしゃがんでする、いわゆる和式。
臭かったりすることはないが床がびしょ濡れで、しかも紙がないので気になる人は注意が必要だ。

また、パーキングエリアでは案の定、ろくなスナックがないので、出発前にお菓子類を買い込んでおいて正解だった。
おかげでこの日は、朝から夕方まで食事をろくに取れず、お菓子でしのいでいた。

高速道路を爆走するバスに揺られながら、現在雨季のマレーシアの変わりやすい気候、バスに乗っていても10キロごとに天候が変化していく様子を堪能した。
ときどきウトウトしつつも、眠気覚まし要員なのか、一緒にバスに乗り込んできた謎の男性と運転手とが、大声で賑やかに会話する現地語に、聞き取れる単語はないかと耳を傾けるなどして楽しんだ。

12時過ぎにペナンを出発したバスは、午後5時半ごろに無事、大都会クアラルンプールに到着した。
クアラルンプールの巨大都市っぷりは想像以上で、マレー半島諸国が誇るパワーを肌で実感している。
 





        



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments