1970年代の気鋭日本人アーティストによる版画展、コレガオンパークのギャラリーで開催中
Posted on 10 Feb 2018 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh
9日はムンバイーから、今回初対面となる野田総領事もお見えになりましたが、よき出会いでした。
※野田総領事と学生たち。
(Photographer: Angad Joshi/Provided by: IJBC)
プネー東部のコレガオンパークはサウスメインロードのギャラリー、「THE MONALISA KALAGRAM」にて、昨日より15日まで、野田哲也、木村光佑をはじめとする、往時の新進気鋭アーティストらが、高度成長期の空気を色濃く残す1970年代の日本を版画で表現した作品の展覧会、「Photographic Images And Matter: Japanese Prints Of The 1970s」が開催されている。
このイベントは在ムンバイー日本国総領事館と国際交流基金が共催し、プネーでインドと日本との人的、文化的、商業的交流の促進を目指すNPO団体、「Indo-Japan Business Council:IJBC」が現地手配に協力している。
昨日の開幕式は、ムンバイー総領事館から野田亮二(のだ・りょうじ)総領事と内田幸雄(うちだ・ゆきお)広報文化班担当領事を主賓に、プネーで日本語を勉強するインド人学生や、日本人学生、インド人や日本人のビジネスピープルなどが招待され、わたしもその末端に入れていただいた。
版画作品は、わたしのように教養のない者は一瞬「おぉっ?」と首をひねったり、頭を横にしたりして考え込んでしまうような抽象アートだった。
しかし、しばらくじっと見つめていると、作者は何を伝えようとしていたのか、受け手に何を委ねようとしていたのか、といった好奇心がむくむくと湧き起こり、不思議な世界に吸い込まれそうになった。
ごく小さな展覧会だが、ひととおり作品を鑑賞し終えると、「70年代の空気」に迷い込み、そしてまた現代(インドのプネーだけど)に戻って来たかのような、新鮮な感動をおぼえた。
ところでムンバイーの総領事が主賓だからと言って、堅苦しい雰囲気のまったくない、和気あいあいとした雰囲気も特筆しておきたい。
野田総領事も内田領事も、積極的に学生たちに話しかけ、来場者との交流を図っていたし、学生たちの方も、わたしも含めた日本人と盛んに交流していた。
展覧会の内容も素晴らしかったのだが、日本や日本人アーティストの作品を紹介する空間が、このような人的交流が生まれる場所としても機能し得るという点は見逃せない。
昨年より赴任されている野田総領事や内田領事とは、わたしは今回が初対面だった。
展覧会の後、IJBC理事メンバーであるシッダールタやアビシェーク・チャウダリー(Abhishek Choudhury)さんとの会食もご一緒させていただき、少しゆっくりとお話しする時間をともにできた。
野田総領事は、わたしが今までお目にかかった歴代のどんな総領事とも異なり、自分からどんどん幅広い話題を投下して、ぐいぐいと会話を引き出す、広い心を持った気さくな方だ。
構想(というより妄想)として温めている「福岡プネー姉妹都市」計画にも耳を傾けてくださり、具体案を示しつつ激励してくださった。
北海道出身の総領事は、3年前のさっぽろ雪まつりの時に自衛隊が造った「雪のタージマハール」の写真を持ち歩いていらっしゃったことも印象的だった。
奥様と小学生の娘さんと一緒に、昨年4月からムンバイーに赴任されている内田領事とも、展覧会会場からたくさんお話をさせていただき、ムンバイーの最新事情をいろいろ教えていただくことができた。
わたしなどよりもずっと繊細な気配りをされる、素敵な方だ。
お開きのころは午後9時半を回っていたが、2人はそれから車でムンバイーへお帰りになった。
現在のムンバイー日本総領事館には、頼もしい味方ができたような、誇らしくもすがすがしい気持ちで、その車を見送った。

冒頭の写真が少しボケていたので、野田総領事の写真をもう1枚。
(Photographer: Angad Joshi/Provided by: IJBC)
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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