この2カ月くらい前より、口座を持っているICICI銀行から「（国民識別IDカードである）『アーダール・カード（Aadhar Card）』番号の登録がなければ、ネットバンキングを利用できなくなる」という半ば脅しのようなSMSが届くようになった。

アーダール・カードとは、日本のマイナンバー制度と同様の国民総背番号制の下、国民の生体認証情報（虹彩情報）とともに付与されている12ケタの固有識別番号で、2010年からインド国籍保持者を対象に発行されている。
しかし永住ビザにあたる「OCI（Overseas Citizen of India）」保持者とはいえ、外国人であるわたしたちは対象外だった。

それがここへ来て、これまで任意だったアーダール・カードと銀行口座やPANカード（納税者証明書）との連携を、今年12月31日までに義務付けるとする制度改定が進んでおり、これに伴い外国人や海外在住インド人（Non-Resident Indian：NRI）もアーダール・カードを取得しなければならないのか否かで、混乱が生じている。
わが家は専任税理士と相談しながら、慎重に動向を見守っている。

そうした中、昨日OCIやNRIを対象としたアーダール・カードの動向について、以下のような記事を見つけた。

Do NRIs Need To Link Aadhaar Card With Bank Account, PAN? What UIDAI Says - NDTV

これによるとインド固有識別番号局（Unique Identification Authority of India：UIDAI）では、NRIとOCI（すなわち一般の外国人も含まれると考えられる）の資格保持者については、アーダール・カードを銀行口座やSIMカード、PANカードと連携させる必要はないと説明している。
理由は現時点でのアーダール法（Aadhaar Act 2016）の下では、NRIとOCI資格保持者にはアーダール・カードを取得する資格がないため。

Aadhaar Act 2016 - UIDAI

そこでNRIやOCI資格保持者については口座を持つ銀行や契約している携帯電話事業者に、アーダール・カードによる認証を法律で免除されていることを証明すればよいと、UIDAIは公式ツイッターアカウントで説明している。

#AadhaarFAQs pic.twitter.com/l1RHjyPzJ7

— Aadhaar (@UIDAI) 2 October 2017

実際にはPIOとOCIの統合騒ぎの時と同様、UIDAIをはじめとする政府側の発言は二転三転しており、依然として混乱の中にある。
この事実をすべての銀行や携帯電話事業者が把握し、周知しているかどうかは甚だ疑問のため、本ページのアーダール法PDF資料とUIDAIのツイッターは保存しておこうっと。