アーダール・カード取得と銀行口座との連携期限、来年3月末まで延長でほぼ正式決定

 

Posted on 17 Dec 2017 22:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

期限延長になったとは言え、憎きアーダール・カードと向き合う時がやってきたようです。



インドの生体認証付き個人識別カードで、これまでインド国籍保持者のみに取得が義務付けられていた「アーダール・カード(Aadhaar Card)」。

ところが今年に入ってから、1年以内に182日間インドに滞在している個人で、銀行口座を持っているか、納税している(PANカードを保有している)場合は、外国人であっても取得を義務付ける方向へと急速に状況が流れ、その期限が今年の12月31日である旨、かつ取得した、または取得申請中のアーダール・カードの情報を、自身の保有する銀行口座と連携しなければ、最悪の場合は口座凍結措置が講じられる旨の脅しに近い「通達」が、繰り返し携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)で送られてくるようになった。

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一方でアーダール・カード取得について定めているアーダール法(Aadhaar Act 2016)の下では、外国人にはその義務がない旨を明確に定めてある。

プネーで暮らす外国人の知り合いたちも、モーディー首相が昨年、1日にして乱暴な廃貨措置を強行し、世間をパニックに陥れた前例があることから心配し、続々とアーダール・カードの取得に乗り出す中、わたしはどうしても、この種の「タグ付け」に抵抗があり、夫や会計士、専門知識を持った人と相談しながら、できるだけ先延ばしにしたまま、11月上旬より福岡に滞在していた。
このため、年内にアーダール・カード取得義務付けとの正式命令が、インド政府より発令されれば、急ぎインドへ帰らなければならない事態を覚悟していた。
しかし、その必要はひとまず去ったようだ。

インド政府は13日、アーダール・カード取得期限を来年、2018年3月31日まで延長することを正式に発表した。

Aadhaar-Bank Linking: Deadline For Linking Aadhaar Extended To March 31

ただしインド最高裁判所は引き続き、国民のプライバシー保護の権利という観点から、アーダール・カードそのものの正当性を含めた(連携義務の強制などの)運用が合憲か否かについて、審議を続けている。

とはいえ、どうやら今度こそ、3月31日の期限は避けられそうもない。
爪に火を点すようにして十数年間、貯めてきたわずかばかりの貯金を、アーダール・カードごときに奪われてしまっては、たまったものではない。





          



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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

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