順調すぎるプネの雨、それでも続く断水

 

Posted on 04 Aug 2016 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

プネではずっと雨が降り続いているのに、給水制限は敷かれたまま。やはりわたしたちは、不便に慣れているのです。



今年のモンスーンは、プネを含めたマハーラーシュトラ州全体のダムに、ほぼ100%の貯水量をすでにもたらしている。
そればかりか一昨日には、ムンバイとゴアを結ぶハイウェイを走行していたバスと乗用車が、増水した川に架かる橋を渡ろうとしたちょうどその時に、橋が猛烈な水圧により崩壊、河口近くだったこともあり、依然として車内にいた全員が行方不明という痛ましい事故が発生している。

ところが十分な降雨があってなお、プネではまだ給水制限が続いており、2日に1回のペースでしか市からの給水がない。

昨年9月、モンスーンに十分な降雨がなかったことを引き金に、水不足を警戒した給水制限が始まり、以来1年近くずっと、2日に1回の給水でどうにか生活している。
当初は暗黒な気持ちになったものだ。

しかし、そうした非常事態に備え、わが家では家庭内の貯水タンクの容量を増やし、かつバスルームに1台のみだった貯水タンクを、キッチンにも備え付けたことで、貯水量は2倍以上の600リットルに増え、給水時に十分な水を確保できるようになったので、トイレや食器洗いなど、日常のこまごまとしたことには困らなくなった。

1日2回以上、給水タンカーを呼ぶ団地もあるが、これには1台数千ルピーのお金がかかることと、もともと少ない水資源を、お金の力で奪ってきているような印象があるため、あまりよい対策とは言えない。
おそらく多くの家庭がこの1年、断水の時間帯をやり過ごす方法を独自に考え、またそのリズムにすっかり慣れてきたのではないだろうか。

このため、給水を管理しているプネ自治体が、100%の水資源確保を確認できるまで、給水制限を解除しなくても、暴動が起きたりといったことはない。
わたしも、このザーザー降りの雨の中、まもなく苦しみが終わるのであれば、もう少しぐらい耐えてもよいと思っている。

このように、インドでの暮らしには不便がつきものだが、だからこそそうした不便に慣れ、またその中で、自分なりに創意工夫するクセがついてくる。
だからインドには、原子力発電所もいらないと、わたしは今でも信じている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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