トーキョーと日本、そしてインド

 

Posted on 10 Dec 2024 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

この格差には毎回戸惑います。



インドでも、プネーとムンバイー、デリー、パトナ、グワハティ、バンガロール、チェンナイ、ゴア、アーグラー、シーロン、マイソール、ナーグプル、などなど、それぞれの都市の特徴はまったく異なる。
言語や文化、気候、風土も大きく変化するので、他の街を訪れることは、そうした違いを楽しむことでもある。

一方の日本では、首都トーキョー(グレータートーキョー、つまり首都圏)と、100万都市を含む地方都市との相違は異様なほどだ。
ほぼエレベーター並みの頻度で運行する網の目のような私鉄や公共交通機関から、格安チェーン店を含む飲食店の充実度、道行く人々の服装や年齢、国籍などの多様性、激安スーパーや店舗、幅広くきめ細やかなサービスなど、時代や物価などの時流に敏感な消費者対応まで、トーキョーと、比較的近くの名古屋、そして大阪などの人口密集地、ましてや実家の所在する福岡などと比較しても、その差に毎回驚かされ、これが「数の力」かと圧倒される。

超高齢化による人口減少は、トーキョーにいる限りは他人事である。
たとえばトーキョーに住んでいる人が地方都市に赴いたとして、その土地の風土をちょっとは味わい、楽しんではみるだろうけど、やはりトーキョーの便利さは捨てがたいから、またトーキョーに戻りたいし、実際ほとんどの人がいったん慣れ親しんだら、トーキョーの地を離れることはない。

人口が多いことが決してよいことばかりではないことは、インドに住んでいれば痛いほど分かっているが、ことトーキョーに関しては、高い家賃や生活費を負担している分、豊富な選択肢という恩恵をきちんと享受でき、回収できるようになっているのである。

トーキョーはもはや日本ではなく、トーキョー国と呼びたくなるほど、日本の中でも突出した奇異な都市になっている。
際限なく湧き出る欲望の渦が、さまざまな形で表出する都市トーキョーの街で、若き自分があの時なぜ、どちらかと言えば苦手なインドに移住する道を選んだのかを、あらためて自問する。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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