発行年の印字ない古い紙幣の取り扱いに注意

 

Posted on 29 Jan 2016 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

2014年3月31日以降は使えないということが前提となっている旧紙幣です。



※上が旧紙幣で、裏に発行年の印字がある下が新紙幣。
(Photo from Garuda Creations)
 

先日、ベンガルールに滞在していたときのこと。
ユービーシティ(UB City)という複合商業施設のようなところにある、おしゃれな感じのパブでビールを1杯だけ飲み、支払いに500ルピー札を出したら、しばらくして店のスタッフが戻って来て、「これは旧紙幣で、現在は発行されていないものだから受け付けられない」と言ってきた。

おぉ、来た来た。
あいにく、財布の中には本当に、200ルピーあまりの会計を済ませるのに十分な紙幣が他になかったので、「それしか現金がない。それに、カードは使いたくない」と言ってみた。
店の人は「分かった」と一度は奥に引っ込んだが、また戻って来て「やはり受け付けられない」と言う。
「では支払いができないが、よいのか?さっきのビールはこの店のおごりかな?」と畳みかけると、「いや、それは困る」。

わたしは、久しぶりにインドにやってきて事情をよく知らない旅行者ということにして、「お国の事情なのだから、あなた方が処理するのが筋である」と主張した。
その後2、3人ぐらいのスタッフが入れ替わりにやってきて、同じような押し問答を繰り返した挙句、最終的に物わかりの良さそうな年配スタッフが、問題の500ルピー札を受け取ってくれた。
それでも、まるで偽札を強引に掴ませてしまったかのような後味の悪さを感じていたら、その人は「当店の対応不手際であり、あなたに落ち度はありません。申し訳ございませんでした」というようなことまで言ってくれた。 
こういう状況で謝ってもらえたことなんて、今まであまりなかったので、店の外に出てから、ちょっとおかしくなったと同時に、「いい店だったなぁ」と、さきほどまでとはがらりと違う印象を抱いてしまったわたしは、文字通り現金なやつだ。
ちなみに、その店とは、こちらである - Sancho's

実際のところは、中央銀行にあたるインド準備銀行(Reserve Bank of India:RBI)が、2005年より前に発行された紙幣が、それ以降に発行されたものよりも偽造されやすい欠点があることを理由に、2015年末までの期限を切ってこれを交換するよう国民に求めていた。
近年は紙幣の偽装防止策を一層強化する加工を施した新札の発行も予定されており、古い紙幣は早晩、使えなくなるかもしれない、ということは噂されていた。
しかし、もちろん今でも銀行に持ち込めば新紙幣に交換してくれるし、特に消費者が旧紙幣を出したからと言って、店側がその受け取りを拒否する権限はない。
なんたってRBIのホームページに載っている紙幣のサンプルが、いまだに「いわゆる」旧紙幣のままだもの。

その後も数枚残っていた旧紙幣を、ベンガルールやプネのいろいろな店で使ってみたが、あんなことに遭遇したのは一度きりだった。
ただし、今後は旧紙幣の使用の際には、気を付けるに越したことはないだろう。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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