アイデアの宝庫、ティハール刑務所より

 

Posted on 08 Apr 2020 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

わたしにとっては凶悪犯が収容される場所、というよりもアイデアのデパートとしてのイメージのほうが定着してしまっています。



世界中を覆う試練の時、無私の精神で奉仕を続ける人々がいる。

相変わらずお世話になっているAI社人事部の女性と、本日用事があって電話で話していたところ、何とこの女性、ロックダウン突入後は毎日朝10時半から午後1時までの2時間半をかけて、自宅近隣の路上で暮らす犬たちのもとへエサを与えに駆け回っているのだという。
しかもある日など、空腹すぎて気が立っていた犬に咬みつかれるという事故も発生、それでも「3回の狂犬病ワクチン接種の2回目まで受けたところよ」と語りつつ、決して諦める様子はない。

パンデミックを含む未曽有の災害、未知の脅威にさらされる時、人や組織の本性が現れるという。
この女性の想像を絶する奉仕精神には、ただ脱帽するばかりであり、「無私」という言葉が見事に形になっていると感じた。
わたしも、できることから社会に何らかの働きかけをしたい。

本日、「The Hindu」紙で見つけた記事は、凶悪犯が収監されることもしばしばある、有名なデリーのティハール(Tihar)刑務所で、日々の食事にも事欠いている日雇い労働者や路上生活者500人分の食事を、受刑者らが調理し、提供しているというものだ。

Meals made by Tihar inmates feed the hungry

500人とは刑務所の周囲5キロメートル以内で生活する対象者たちの人数で、全国封鎖と外出禁止令が発令された25日から3日目より、毎日昼と夕の2回、実施している。
調理された食事はこの範囲内に複数箇所設けられた救済センターに持ち込まれ、炊き出しに並ぶ人たちには安全な距離を空けてもらうようにしているという。

このアイデアは、受刑者ら自らが「チャパーティー1枚を節約するから(困っている人に食事を配ろう)」と発案したものだという。
献立はチャパーティーとライス、ダル、サブジと充実している。

記事では肝心のお味にも言及しており、「まあまあ」と受け入れられている様子だ。

思えばティハール刑務所はいつだって、何か画期的なアイデアを出してきた印象がある。

ASKSiddhi「ティハール刑務所」過去関連記事:
ティハール刑務所受刑者、今年は最高で3万5000ルピーの職業オファー 2014年05月09日
ティハール刑務所で、受刑者プロデュースのレストランが開業 2014年07月15日

さて、若いころから男女問わず関心を持たれないこと、冷たくされることに慣れすぎてて、傷つくことを極度に恐れ、人との距離の取り方が分からないままだ。
しかしインドに来てから早くも20年近くの年月が経過し、この国の人々から受ける、無条件に友好的な態度に甘えてきたが、現実的な問題を前にして自らの原点を見つめると同時に、冒頭の「無私」について改めて思いを及ぼし、まだまだ訓練が足りないことを深く自覚するのである。

なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。

=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※4月8日付けのメール、件名「インドにおける新型コロナウイルスに関する注意喚起(ウッタル・プラデシュ州における完全封鎖措置ほか)」

インド政府によると,4月8日現在のインド国内感染者の合計は5,194例(死亡149例)となっています。
8日,ウッタル・プラデシュ州政府は,9日0時より15日の朝まで,感染者が多く確認されている15の地区において,完全封鎖措置をとることを決定しました。同期間中は通行証(curfew pass)を保持する業者以外,市民は一切外出せず,生活必需品についても店頭ではなくデリバリーで調達することが求められています。対象地区はラクナウ,ゴウタム・ブッダ・ナガル(ノイダ),ガジアバード,アグラ,シャムリ,サハラープル,カーンプル,ヴァラナシ,シータープル,バレーリー,ブランドシャヘル,フィローザーバード,バスティ,マハーラジ・ガンジ,メーラトです。
8日,全日空は,ムンバイ発(4月11日,13日,15日)及びチェンナイ発(4月10日,12日,14日)の臨時運航便を除き,デリー,ムンバイ,チェンナイ線を5月31日まで運休することを発表しました。

1 インド政府によると,4月8日現在のインド国内感染者の合計は5,194例(死亡149例)となっています。州ごとの内訳等は以下をご覧ください。
https://www.mohfw.gov.in/node/4904/

2 8日,ウッタル・プラデシュ州政府は,9日0時より15日の朝まで,感染者が多く確認されている15の地区において,完全封鎖措置をとることを決定しました。同期間中は通行証(curfew pass)を保持する業者以外,市民は一切外出せず,生活必需品についても店頭ではなくデリバリーで調達することが求められています。
対象地区はラクナウ,ゴウタム・ブッダ・ナガル(ノイダ),ガジアバード,アグラ,シャムリ,サハラープル,カーンプル,ヴァラナシ,シータープル,バレーリー,ブランドシャヘル,フィローザーバード,バスティ,マハーラジ・ガンジ,メーラトです。

3 8日,全日空は,ムンバイ発(4月11日,13日,15日)及びチェンナイ発(4月10日,12日,14日)の臨時運航便を除き,デリー,ムンバイ,チェンナイ線を5月31日まで運休することを発表しました。詳細は全日空にお問い合わせください。
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202004/20200408.html

(全日空お問い合せ先)
電話:(インド国内)000800-100-9274 ※24時間対応 ※通話無料
         (インド国外)+81-3-4332-6868 ※24時間対応 ※有料
ウェブ:お問い合わせ窓口[インドにお住まいの方]URL
https://www.ana.co.jp/ja/in/site-help/contact/

4 在留邦人,インドご滞在中の皆様におかれては,以下の点にご注意の上,最新情報の入手に努め,困ったことがあれば本メール末尾の大使館問い合わせ先にご連絡ください。
(1)中央政府及び地方政府が感染予防のための措置を強化する方向にあり,制度が突然変更される可能性もありますので,十分注意して行動してください。
(2)在インド日本国大使館では在留邦人の皆様からの保健相談を受け付けるための窓口を設置しています。
jpemb-hokensoudan@nd.mofa.go.jp
ご利用に際しての詳細は,以前の領事メールをご覧ください。
(3)インド政府は,3月25日から21日間,全国におけるロックダウン措置を実施しています。警察による取締りが強化されていますので,十分ご注意ください。なお,この措置を受け,領事業務を含め大使館の業務が今後限定的になる可能性があります。
(4)ご自身や周囲の人の感染予防のため以下の点にご注意下さい。
・アルコール系手指消毒薬または石鹸と流水による手洗いを頻繁に行う。目,鼻,口などに触れる前に手洗いをする。
・咳やくしゃみがあるときはマスクを着用して鼻と口を覆う。マスクがない場合は,咳やくしゃみのときに口と鼻をティッシュなどで覆い,手洗いを行う。

(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

このメールは,在留届にて届けられたメールアドレス及び旅レジに登録されたメールアドレスに自動的に配信されております。

【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ===


本日の備忘録として、2016年にお世話になった「かさこ塾」のかさこさんが本日アップしていたブログで伝えていた、緊急事態宣言発令翌日の横浜市鶴見区の様子が、ロックダウン中のインドから見てなかなか興味深くて、そして思わず笑ってしまった。



 

これをきっかけに、かさこさんと久しぶりにツイッター上にてちょこっとやりとりさせていただいていたところ、「何かできることがあれば」と声をかけてくださり、はっとした。

ロックダウン中で日本とインドとの間で航空機すらまともに飛んでいないところに、同じプネーに住んでいてすらお互いに行き来できないがんじがらめの現状で、かさこさんがわたしにできることなど何もないのに、ちょっとでも気にかけてもらえるだけでだいぶ癒されるんだな。
確かかさこさんは東日本大震災直後、津波被害のひどかった東北各地へ頻繁にボランティアとして奉仕しに行かれた方だ。
わたしも、まずは誰かに声をかけることから始めたいなと思った。

本日最も読まれている記事
購入後半年で故障したフォッシルのスマートウォッチを巡る、意外な顛末 16 Sep 2019
公益か人権か、揺れる日本と他に選択肢がないインドと 03 Apr 2020
「Gully Boy」の監督がお茶の間に届けるネット配信ドラマ、「Made In Heaven」を鑑賞 19 Mar 2019
インド全土21日間封鎖と外出禁止令で影響を受ける野良動物たち 31 Mar 2020
インド人の平均寿命と、女性の伸び率鈍化 01 Oct 2019

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments