本日8月7日は、4回目となる「手織物の日(National Handloom Day)」だったようだ。
Why India and its weavers needed a National Handloom Day - Indian Express
インドと言えば、広い国土の各地方に様々な布織物が存在するが、この「手織物の日」は、1905年にマハートマー・ガーンディーが国産品の生産と愛用を進め、その一環として手織物工業を復活させた「スワデシ(Swadeshi)」運動に倣い、国内の貴重な職人たちの手による工芸品を見直そうという取り組みにより、2015年に定められた。
インドの大地が生んだ美しい布織物は、現代でも外交の場面で活躍している。
2015年には当時のミシェル・オバマ米大統領夫人に、ヴァラナシの「カドゥア(Kadhua)」と呼ばれる特別な絹織物で作られたドレスが贈られたほか、イヴァンカ・トランプ大統領補佐官が2017年に訪印した折には、テーランガーナー州産の「プチャンパリー(Pochampally)」と呼ばれるシルクサリーが贈呈されている。

(写真:出典「The Indian Express」)
国内で手織工業に従事する人は433万人とされ、特に農村部では2番目に大規模な産業となっている。
また、世界中に流通している手織物の95%はインド産であるとされている(2017年現在)。
インド産の手織物は高く評価されている一方で、職人たちと市場が切り離されていることによる買い叩き、原材料不足、そして紡績や刺繍、機織などの労働集約的な側面から、存続が危ぶまれている。
このため、現役の職人たちに利益をもたらし、また農村部女性の自立を促す一環としての手織物工業の在り方を見直す計画やプログラムが次々に導入されている。
職人が直接商品を売買できる電子商取引用プラットフォーム、「e-dhaga」や、太陽光を利用した紡績「ソーラー・チャルカ(Solar Charkha)」などがその例だ。
「ソーラー・チャルカ」の動画
現在は特に若い世代や海外向けに、国産の手織り布地で作られたスタイリッシュな服を積極的に着てもらえるような商品開発が行われているという。
絹もよいが、インド産コットンの手織物は、全世界に誇る優れた品質のものが多いと思う。
「インドの布」は、インド人たちが気づかない間に、インターナショナルブランドとして確立されつつある。
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