インド12言語をサポートする国産スマートフォンOS

 

Posted on 24 Nov 2016 23:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

人間翻訳の未来について、またひとつ考えさせられる話題です。



*The picture from The Better India


今月はじめ、Google翻訳にニューラルネットワークが導入されたことで、英語と日本語との間でも機械翻訳の精度が大幅に向上したことが、翻訳業界にも少なからぬ波紋を広げている。
わたしも、これからの翻訳のあり方について、非常に深く考えさせられている。

そんな中、国内に無数の言語を抱える多言語国家インドでは、国産開発された新しい多言語OSが登場している。

How an Operating System Is Helping Indian Consumers Use a Smartphone in 12 Languages

英語が公用語のひとつとなっており、アメリカに次ぐ英語話者数を擁するとされているインド。
それでも英語を日常で使っているのは人口の2割程度に過ぎず、残り8割近くの人たちは英語を理解せず、母国語での会話しかできない。

そうした人々がデジタル格差により情報から取り残されることがないよう、多言語対応のスマートフォン基本ソフト(OS)を独自開発した会社がある。

この「Made in India」OSは「Indus」と名付けられ、世界の技術系大学の最高峰クラスと称されるインド工科大学出身の起業家らがチームを組んで開発した。
共同設立者でCEOのラケーシュ・デシュムク(Rakesh Deshmukh)氏によれば、現在、インド国内12言語をサポートする。

Indus OSは、Micromax、Celkon、Karbonn、Intex、Swipeなど、インド製モバイル/スマートフォン製品の一部にプリインストールされている。

一般的なモバイル製品では、「多言語対応」を謳っているものでもローカライズされているのはメニューのみ。
これでは、もともとスマホの操作に慣れた人でない限り、使いこなすことが容易ではない。

英語を理解しない人たちでも世界と繋がることができれば、今まで思いもかけなかったチャンスに恵まれるかもしれない。
そうした理念をもとに、ネット情報へのアクセスや通信、コミュニケーションのハードルを下げることを目的としたのが「Indus」だ。

当初試作版OSをグジャラート州の言語グジャラーティー語で製作、その際の反応が予想を上回り5,000台以上も売れたため、多言語対応に着手した。
主な機能としては、ユーザーが2言語で同時入力できるハイブリッドキーパッド、スワイプひとつでテキストを英語から選択した言語へ、またその逆へ翻訳できる機能、各言語のテキストを音声に変換など。

「Indus」は、「Google Play」や「App Store」のようなアプリストア「App Bazaar」を備えていて、すでに一部言語では3万を超えるアプリを提供している。
プリインストールされた端末の価格帯は3,000から10,000ルピー、OSのユーザー数は450万人に達しているという。

もともと、このOSは、インドの地方言語しか理解しない人が、何らかのきっかけで国際ビジネスを展開することになった際に、「英語を理解できる一部の人間にコミュニケーションを依存せざるを得ない状況」を打開するために開発されたという。​
今後、多言語サポートはこのように、急カーブで進化するテクノロジーとの拮抗は避けられない。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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