「渋イケメンの国」から福岡へ、三井昌志さん

 

Posted on 23 May 2016 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

三井さんのツイッター投稿で、圧倒的存在感を放つ表紙写真と「無駄にかっこいい男たち」というキャプションを初めて見た時の衝撃が忘れられません。



去る21日、福岡を訪問されていた写真家の三井昌志さんが福岡アジア美術館で無料講演会を催された。
三井さん作品のファンとしては、ご本人と直接お目にかかれる念願の、またとない機会だった。

三井さんのことは確か数年前、福岡在住インド哲学研究家の山口栄一さんのツイッターを通じて知ったと思う。
その頃の三井さんもバイクでインド一周旅行をされていて、投稿される写真の数々が醸し出す、ものすごい迫力に心を奪われた。
インドをバイクで旅して回るという体力と気力にもさることながら、名もなき村や町に住む、名もなき人々の一瞬の表情をシャッターで捉える、その疲れを知らぬ感性は、わたしの心の琴線に触れ、圧倒されるばかり。

それからは三井さんのツイッター投稿を楽しみに拝見するようになったが、三井さんがマハーラーシュトラ州に入ったとおぼしき折にはすかさず、「プネにお立ち寄りになりませんか」とメンションを飛ばすも、「日本人や外国人観光客がまず行かないところへ行く」とフラれた。
三井さんは先日も何度目かのインド一周旅行を終えられたばかりなのだが、この時の行程でもマハーラーシュトラ州には入ったものの、プネは素通り、というか、かすりもしなかったようだった。

だから今回、福岡という地でついに三井さんにお目にかかれたことは感無量だった。
ずっと気になっていた写真集、「渋イケメンの国」もサイン付きで入手するという幸運に恵まれた。
実際に会った三井さんは、わたしが抱いていたイメージそのままの、寡黙だが相手を笑わせるユーモアはほどよく持ち合わせた、期待を裏切らないすてきな紳士だった。

サインをいただく際、三井さんに「プネは確かに都会だけど、イスラーム教徒が集中する南部のコンドワ(Kondwa)のような、不思議な村っぽさが残るおもしろい場所もありますよ」とアピールしたかったのだが、興奮と緊張のあまり「コンドワ」の地名が出てこず、しどろもどろに終始した。
三井さんがプネに来てくれることは、おそらく今後もないんだろうな。

それにしても「渋イケメンの国」、わたしなどは決して見ることのできないインド世界が満載の、珠玉の一冊だ。
特に表紙のこの男性、まるでジャングル奥深くで発見した新種生物のような神々しさではないか。
そして三井さんがいなければ、このような「渋イケメンたち」に、わたしたちは会えないままだったろう。
写真集の巻末には、それぞれの写真にまつわる小話や背景が1文ずつ添えられており、一層の想像力を掻き立てられる。

帯には「目力が強い。モテを意識しない。加齢を恐れない。それが『渋イケメン』の生き方」との名言がある。
わたしに言わせれば、イケメンなどという言葉や概念のおそらく存在しないであろう世界に出かけて、あえてイケメンを発掘してきた、孤高の雰囲気漂う三井さんこそ「渋イケメン」だ。

「渋イケメンの国」は、美しいものはちゃんと見る目を持っていれば、わたしたちの身近にあることを教えてくれる写真集だ。
そして手元に置いておけば、インド(とバングラデシュ)が抱え持つ強烈なインパクトを、また別の角度から感じ、そして伝えられる、わたしにとっても誇りの詰まった一冊だ。

※三井昌志さんホームページ: たびそら
 


キャ~~~、名前付きのサインと、おまけの絵葉書をくださった。
 


翌日にも写真教室を開催されていたが、
仕事で参加できず残念。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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